政府は22日、全国平均で798円の最低賃金を毎年3%程度増やす目標を設けると発表、まだ検討段階のようだが決まれば久々のヒット商品になる。2020年ごろにGDPを600兆円に増やす目標を掲げたが、可能と考える人はまずいない。しかし、今回の最低賃金大幅改善が実現すれば、最低賃金に近い水準で働くパートやアルバイトの賃金増加で、不振の個人消費を底上げし、600兆円も夢ではない。
官邸の誰のアイデアか判らないが、着眼点はすばらしい。当然来年の参議院選挙対策であることは明らかであるが、格差社会に入った今、低所得層からの支持につながるし、民主党支援のコアである連合、労働組合への強烈なパンチでもある。先進諸国の最低賃金の流れは米英を中心に約1500円であり、特にオバマ大統領は最低賃金引き上げに執念を燃やしている。現在の景気後退の大きな原因は個人消費不足と設備投資不振に有り、安倍首相は既存の大勢力連合や経団連の指導不足にイライラをつのらせていたに違いない。このブログでも過去指摘したように政府のできることは最低賃金の引き上げで、民主党政権時代は1000円を目標とした。今回は一歩進めて毎年の改定率3%と具体的でやる気を見せた。
今年度は過去最大の18円増(2.3%)となったが、来年度以降はさらに増加幅を広げ3%なら24円ぐらいの引き上げが必要で、参議院選挙前に決着をつければ、政府の本気度が判明する。これまでの内閣ができなかったことをやろうとしているのだから、厳しいことは間違いない。