行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

軽減税率かくあるべき、一庶民の提案

2015-12-12 22:06:44 | Weblog

軽減税率の議論が煮詰まってきたが、当事者はもとよりマスコミ各社とも財源論に振り回されている。そもそもこれから増税で財源を創ろうとしているのにその増税分が減少するといって他に財源を求めるという議論は明らかに財務省的だ。弱者対策で軽減税率を設けるという大義であり、それによって高所得者も恩恵を受けるのならば所得税の累進率を以前に戻せば1兆円ぐらい簡単に出て来る。直接税の比率が低下していることを考えれば高所得者の税率を70%ぐらいに戻すべきだ。

日本は格差社会となり、低所得対策としての軽減税率は必要である。それなくして消費の回復はおぼつかない。かねてより食料品(加工品も含む以下同じ)に限れば、8%という現在の消費税は世界でも最も重く、5%に戻すのが本筋と書いてきた。税率が複数だと中小小売りに負担がかかるとかいうのはためにする議論で、ほとんど中小企業のEUでは付加価値税(VAT)は根付いている。日本はEUに比し、コンピューターリテラシーが低いとは思えない。

EUでは指令でなるべく統一した税率を目指しているがVATの歴史も有り、国により税率も27%から15%まであり、軽減税率やその適用品目も各国の事情でばらばらだ。一応EUは軽減税率適用品目を食品、水道水、書籍、医薬品など、21項目の商品やサービスに限定して、加盟国は独自の判断でこのリストの中から適用品目・サービスを選択している。

伊、独、仏、英は税率が20%前後でほぼ真ん中に位置しているが、軽減税率となるとかなりその国の事情が反映され異なる。共通しているのは食品、水道水、書籍、新聞ぐらいだが、英国はさらに運賃、障害者用器具を含め税率はゼロと徹底している。フランスでは本体の消費税は19%で、軽減税率は四段階になっていて食品は5%、次がビールなど5.5%.ワインは11パーセント、複雑だが対応できてる。観光立国であるため宿泊、運賃、外食、医薬品を7%の軽減税率にし、同じくイタリアは10%で、更に農産品、住宅は4%という低さだ。つまり、外食への軽減税率も観光産業をどうするかという観点で適用している。

クリスマスマーケットで賑わうドイツの場合、マックで食べると標準税率の19%、テイクアウトだと7%の軽減税率というやり方をしている。高級レストランではテイクアウトができないのでこれも弱者対策といえよう。
オランダ、ベルギーは標準税率21%で食料品は6%の軽減税率、ルクセンブルグは15%で食料品、外食は3%の軽減税率となっている。

デンマークは軽減税率がない唯一の国でしかもVATは25%と高率だ。フランスやイタリアのごとく外食産業への優遇はなく、レストランは少なく、夜ともなるとコペンの街は寂しいかぎりだ。

以上私がEUで見てきた現状で、これから導き出すと
食料品(加工食品含む)は軽減税率(5%)を適用する。外食は10%以上の税率になった時点でインバウンド需要を考慮に入れ10%に据え置く。但し弱者対策としてテイクアウト品については食料品として軽減税率を適用する。

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