石油価格の下落に歯止めが掛からない。昨年比平均で半分になり、現時点では3割台になった。昨年の今頃このブログで産油国から5.6兆円のクリスマスプレゼントだから日本経済にとってラッキーだと書いた。実際は石油価格は今年下がり続けたのだから6兆円をこえるプレゼントになったわけだが、ガソリン代が下がっただけで目に見えて日本経済が良くなったという実感はわかない。
それどころか、世界一の産油国になった米国では、原油価格が40ドルを割ってから不安に駆られ株価が下落しだした。かつて石油を大量に輸入してた米国経済だったら文句なしにプラスだったのだろうが、石油価格の下落がシェールオイルやガスの井戸閉鎖で失業者が出て来ると、未知の領域に入り、どうゆう結果になるか時間が経たないと判らないということなのか。
しかし、日本みたいにエネルギーの大部分を輸入石油にたよっている途上国の国々や世界第2位の石油消費・かつ輸入国中国のような国にとっては、産油国からの援助ともいえ、財政に大きく寄与して世界経済にとってプラスだ。例えば、中国は2014年の輸入額2283億ドルだったので半値になれば1100億ドルも助かる。同じ計算だとタイでは150億ドル、フィリピンでは33億ドルが産油国からの援助となる。確かに米国景気がどうなるかわからないが、大部分の途上国や中国、インドの来年の景気は石油価格の下落で明るくなるのではないかと思う。