行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

資本主義の変容

2016-08-29 23:11:02 | Weblog
本日報道された日経の試算によると、「公的マネーによる日本株保有が急拡大し、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっていることが分かった。株価を下支えする効果は大きい半面、業績など経営状況に応じて企業を選別する市場機能が低下する懸念がある」
 
GPIFは運用総額約130兆円の世界最大の年金基金。政府の後押しで2014年に日本株の保有比率の目安を12%から25%へと大幅に引き上げた。ところが株価が下がり、現在の比率は21%ぐらいになり、25%へ向けて日本株を買い増しに動いていると思われる。今年の第一四半期運用では5兆円の赤字を出し、大騒ぎだ。
 
年金の130兆円は自分を含めて、厚生年金と国民年金の加入者の基金だから、加入者が株主となっていると考えても良いが、その運用は政府の影響下にある。
 
一方日銀は金融緩和策の一環として上場投資信託(ETF)を買い入れており、7月29日に年間購入額を3.3兆円から6兆円へと倍増した。毎月5000億円ものETFを買うと言うことはETFに組み込まれてる株を買うことで、1日の東証の売買額が8月は2兆円前後だから日銀が株を買い支えていることになる。そのため東証の株価指数は日経ダウで16000円で必ず底を打っている。
 
アベノミクスの結果、日本の資本市場はマーケットの原理が働かなくなっている。その行き着く先はどうなるのか?確実なのは何時までも続かないということだ。日銀が緩和政策を転換するときにはETFを6兆円売ることになり、株の暴落を防ぎながら極めて難しい道を探さなければならない。そしてその時、GPIFの資産価値はどうなるか年金受給者としては自分が死んでからにしてくれと言いたくなる。
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