行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

住宅ローンに銀行が利息を払ってくれる怪

2019-09-09 21:49:28 | 経済
今日の日経、「デンマークでは大口の預金には年0.5%の手数料を取るが、住宅ローンでは10年固定マイナス0.5金利で残債が減って行くことになった」と報道、政策金利がマイナス0.65%になったため、銀行はお金を抱えていると損することになり、苦肉の策でそうなったようだ。当然一刻も早く借り換えた方が得するとばかりに空前の借り換え騒動が起きている。
 
日本もEUもマイナス長期金利になっている。ドイツの長期金利の指標となる10年物国債利回りは8月下旬にマイナス0.7%まで低下(債券価格は上昇)した。日本の10年債利回りもマイナス金利で推移し、デンマークは他山の石だ。
 
デンマークは人口600万に満たない。日本で同じことが起きたら、日本中の銀行へローンを借りてる人が押しかけ、銀行業務は麻痺するだろう。そうならないように銀行が特に地銀が立ちゆくように何らかの対策が迫られている。
 
今世界の銀行は藁をつかむかのように国債や債券を買っているが、債権の値上がりは超長期債で一層鮮明になっている。専門家の武者陵司氏は「8月20日付の米ウォール・ストリート・ジャーナルは、オーストリア100年国債の年初来のドルベースリターンが68%に達し、日本40年国債は28%、ドイツ30年国債は28%、米国30年国債は27% になるとの試算を紹介した。債券は額面価格で償還されるため、値上がりした債券を購入して満期まで保有すれば確実に損失になる。価格上昇局面で債券を購入する投資家はさらに値上がりしたところで売却することを狙っているとみられるが、長期債や超長期債がこうした高値まで買い上げられるのは投機の色彩がかなり強く、債券バブルともいえる」と言っている。
 
こうした流れから証券界は株の配当利率が比較的高くなっており、債券からの資金移動が起こると期待している。未知の世界に踏み出したかのようだ。
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