何回か前のブログ、「コロナパンデミックで衣料産業のサプライチェーンが中国から東南アジアに移る」と書いたが、EUは欧州地域が感染増に苦しんでいる中でも、4月にはミャンマー衣料産業支援の基金を創設し、直接現金を送金している。ミャンマーサプライチェーン衣料品の7割が欧州向けという事情もある。支援の要旨は以下の通りで、迅速な援助でサプライチェーンを維持しようとする政策だ。
ミャンマーでは欧州有名ブランドの下請けをしている多くの工場がパンデミックで突然受注が止まり、経営危機、そして数千人の労働者が雇用危機に直面している。これまで500万ユーロ(約6億円)の緊急現金基金を設け以下の基準で送金している。
1,解雇され、住居から立ち退きを迫られている労働者3000人~8000人対象で3か月間月75000チャット(約6000円)を送金
2,違法に契約が終了した人、125000チャット(約9800円)を送金
3,雇用を維持し、賃金または現物支給(宿泊、食事)を継続することに同意した中小企業への現金送金。
この支援は今年一杯継続される。
日本は今のところ国内のパンデミック対策で手一杯だが、来年オリンピックを開催したいのであれば、途上国や南米での感染者抑制、死者の減が必要条件だ。ODAの予算を緊急性のないものからパンデミック対策に回し、南アジアや南米、アフリカの諸国へ日本知見を生かした医療支援が必要だろう。