行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

今年度の最低賃金の目安据え置きはコロナの情勢から見ても間違っている

2020-07-26 22:21:42 | 労働
 
最低賃金の影響力が大きくなった

時代が変わったのだと思わせる記事が先日報道された。「東京の時給分布を見ると、07年には前年度の最低賃金719円に近い時給800円未満の人は7万2000人にすぎなかった。10年後の1......
 

厚生労働省の最低賃金の目安を決める審議会で、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で企業の業績が悪化し、経営者側は「凍結」を求めた。政府も、雇用を守ることが最優先課題であるとし、これまでの3%増経過を引っ込めた。しかし、コロナ下では、医療・介護や飲食・生活必需品の配達、スーパー・小売りのレジ係、ごみ収集など生活に欠かせないサービスを担う人達「エッセンシャルワーカー」(必要不可欠の労働者)の重要性を皆再認識した。殆どがパートやアルバイトで、この中には、最低賃金に近い給与で働く人も少なくない。また最低賃金引き上げの影響を最も受け、この人達は最低賃金が上がらないと時間給は上がらない。緊急事態宣言以降、頑張った人達への報いを政府・経営側はどう考えているのだろうか?

安倍首相の唯一のリーダーシップは最低賃金を2016年度から4年間、3%以上引き上げだった。全国平均の時給は昨年901円になったが、早期に全国平均で1000円を目指す方針がここでとん挫した。時給900円ではフルタイムで週40時間働いても、年収190万円程度で日本の最低賃金は平均賃金の4割弱にとどまる。欧米は時給1500円実現に動いている。日本の水準は決して高くなく、これを3%上げても企業経営に響くとは思えない。

今年の春闘では、新型コロナの影響が懸念される中、連合加盟中小企業組合でも平均賃上げ1.8%が合意され、最低賃金が据え置かれることになれば、正社員と、立場の弱い非正規労働者の格差はさらに広がる。
国の目安が出て、これから県ごとの最低賃金が決まるが、感染リスクが高い仕事に対し、それに見合っただけの賃金が支払われているのか、検討して地域最低賃金を決めて貰いたい。

 

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