行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

南九州紀行

2008-10-09 23:48:29 | Weblog
昨日は知覧の世界遺産への提案をしたところコメントをいただきました。知覧のすばらしいところは生け垣にあり、樹木は槙で統一されていてしかも中の庭に廻ると庭園の借景を構築しているという技を使っている。だから普通の生け垣とちがい上部の姿形も直線でなく山や谷も表現している場合もある。この手入れだけでも大変な努力が見られる。その昔、武士達はその庭園を維持するのに収入の大半を使い、農業だけでは足りず内職として傘を上下に重ねたような独特の提灯を作ったりしたとのこと。
も一つ、有名になった宮崎県庁に寄ったが、東国原知事のブランド化は想像以上に見事であった。知事のブランド商品はどこにでもあり、土産物屋の活性化に寄与している。逆に言えば地域興しに決め手が無くワラにもすがるような思いで東国原ブランドに頼っている。時あたかも総選挙への風が吹き、程度の低い失言で出馬できなくなった中山代議士に替わり、東国原知事が色気を出したが県民が拒絶反応したのも無理はない。そんなことになったら確立したブランドが消滅するからだ。
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知覧武家屋敷地域を世界遺産に

2008-10-09 00:47:39 | Weblog
久しぶりにこの4日間南九州へ旅した。阿蘇から宮崎、霧島、指宿といったコースで渋滞もなく快適なバス旅行であった。昔に比べれば北海道といい田舎の道路はすばらしく整備されていて観光道路も増えていた。それでも知事さん達はもっと道路をと言ってるらしい。今回は毎週見ている「篤姫」の故郷鹿児島がお目当てだったが彼女の故郷、今和泉には実家のお墓ぐらいが残っていて屋敷跡は小学校が建っていた。創造力の乏しい私には面影を見ることもできなかった。その代わり今回の大ヒットは知覧だった。神風特攻隊で有名なところだが1600年代江戸時代の初期、幕府の方針で知覧城が廃却された後、武家の屋敷を集中して、地域の核とした街造り、武家屋敷群が見事に残っていた。
特徴は石垣に槙の生け垣と日本庭園が競って造られ、屋敷は現在も使用されていて7軒ほど公開されていた。静かさの中の石庭や一面ツツジの庭、枯山水の庭などこれほど集中して現代まで保存されている例は見たことがない。角館の黒塀武家屋敷街や金沢の武家屋敷街も良いが、知覧の緑の多い生け垣は歩いているだけで癒される。こうした保存のために、住んでいる人はかなり苦労をしている。テレビのアンテナは見えないように、車は裏口におくとか昔のままの状態を保存するにはそれなりにお金も掛かっているのではないかと思う。中には自分の屋敷でカフェやレストランを経営して資金の足しにしていた。7カ所の公開している屋敷は500円共通券で庭を観賞できる。
世界中の世界遺産を私は訪れたが、これぞまさしく世界遺産だと思ったし、知覧の人たちの奮起を期待したい。
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貿易収支の赤字と米国の経済力の行方

2008-10-02 22:41:54 | Weblog
財務省が9月29日に発表した2008年8月の貿易収支(輸出確報および輸入速報)は3275億円のマイナスとなり、26年ぶりに赤字に転落した。日本の貿易構造に変化が出てきたのか、
 輸出額は2カ月連続の増加となる前年同月比0.3%増の7兆535億円。この額は8月としては歴代1位の規模である。なのに何故赤字になったか?原因は輸入にある。
 輸入額は前年同月比で17.3%増加し、歴代2位の金額である7兆3811億円となった。景気が悪くなっているのに何故こんなに増えたか?自明のことで64.2%増となった石油が金額の上昇に大きく寄与した。また石炭も同121.1%増、液化天然ガスも同53.1%増といずれも国際価格の暴騰が原因である。これだけを見ればエネルギー価格が下がれば元に戻るが新興国の需要を考えると難しだろう。
貿易相手国ではもう完全に米国依存ではなく中国を中心としたアジアが第一のマーケットになってしまったようだ。輸出で見てみると対米国輸出は前年同月比21.8%の大幅な減少で1兆871億円、一方対中国は、輸出が1兆2229億円(同8.8%増)、EU輸出は9511億円(同3.5%減)で収支はいずれも黒字だったが対米黒字は5割弱減少した。
この統計に今回の米国発の金融危機を重ね合わせると、米国経済は金融危機で弱体化をまねき、国際経済における巨人が糖尿病を患ったごとく長期にわたり世界経済の牽引役から足を引っ張る側になるのではないか。日本企業は世界戦略をこうした情勢に合わせることが喫緊の課題だ。しかし米国は質量とも軍事力では依然として飛び抜けたパワーを有しており、ドルの国際通貨としての地位は低下するがメインを維持することになろう。

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