行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

NHK特番「大失業時代」を見て

2009-05-07 22:40:50 | Weblog
35歳を軸に20年後の日本を見るという視点から不安いっぱいの現在をどう変えたら良いのかというのがテーマであった。現在の代表例として35歳4人家族の正社員が賃金カットにあって年収300万円台で苦労していることが紹介された。月15万のローンを払いながらどういう生活をしているのか考えるだけでも辛い。まして非正規社員では結婚すら考えつかないと紹介され、このままでは日本は人口減から20年後は医療も介護も年金も崩壊すると予測している。
これに対し対策として出てきた社会政策は目新しいものではないが英国の職業訓練と就職の連結したシステムは日本でようやく実行し出したし、中国地方の山村では都会から若い夫婦を引きつける政策をとり活気が出てきた例などは希望が持てる。2万円の家賃と2000円保育所の完備で若い夫婦はローンと月7万円の保育料で喘いでた大阪の生活を見限りその山村に住み着いた。フランスではそれを全国的に展開し、1.6であった出産率を2.2まで引き上げた。
これからは産業政策による失業対策よりこうした社会政策で内需を大切にして行く時代なのだろう。国際競争力も貿易立国の日本では大切だが、企業が残っても少子化で国民がいなくなる悲劇は避けたいものだ。
今日国会では「私は2人の子供を産んで義務を果たした」等と失言した首相には子供を産めない、結婚できない若者の貧困は理解できない。
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憲法第25条

2009-05-05 15:20:53 | Weblog
今年の憲法記念日での話題はいつもの第9条だけでなく第25条が俎上に載った。その条文は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とし、生存権と、国の社会的使命について規定している。今回の経済危機で昨年来、派遣切りにあった労働者や老人介護家庭、母子家庭での貧困に喘ぐ実態が毎日のように世界第2の経済大国で話題になっているからだ。政治は残念ながらこの第25条を誠実に履行しようとする形跡が見られない。
国民は自ら切り開く努力をしなくてはならない。憲法は基本的人権を保障し、第27条で働く権利、第28条で団結権を規定している。働く人は団結をして自分たちの働く権利を守ることを初心に返ってやることだ。それにはひとりでも多く労働組合に加入することで、パワーハラスメントや不当な解雇に対しては1人では弱い、労働組合の中で闘うことだ。
弱者も団結すれば強くなる良い例が4月下旬にあった。
昨年話題になった大分キヤノンの解雇者に解決金2億円支払いで合意という内容。大分キヤノンの人員削減で解雇された請負社員らが加入する「日研総業ユニオン」は4月26日「解決金」の支払いで請負会社の「日研総業」と合意したと発表した。解決金の総額は約2億円。うち半分は大分キヤノンが負担するという。具体的には、大分キヤノンで請負社員として働いていた約700人に対し、契約満了日までの賃金に加え、生活支援金として一律5万円を支払い、残っている有給休暇も買い上げる。一人当たりの解決金は平均的な月額賃金の3、4カ月分に相当する。5月末まで社員寮に残ることも認めるという。
労組へはNPO法人「ガテン系連帯」が支援したことも大きな力になった。連帯組織小谷野事務局長は「直接的な雇用関係のない大企業が、一定の責任を認める形で金銭を支払うのは画期的なこと」と評価している。

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ジープのクライスラー破産

2009-05-03 23:06:05 | Weblog
クライスラーは4月30日米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。クライスラーと言えば「ダッジ」「ジープ」のブランドが浮かぶ、特にジープは4輪駆動車の代名詞のような存在で、「コンバット」「史上最大の作戦」などで米国陸軍車として登場し、ジョンウェイ扮する歩兵隊の御用達車として記憶に残っている。そのためか頑丈な車というブランドで戦後長い間信頼を集めてきた。
しかし、石油ショック後の大型車不信で経営が傾き、79年には米政府が破綻回避に向けて15億ドルのローン保証を提供し、アイアコッカ氏をCEOにむかえ、ミニバンの先駆的投入などで黒字回復をなんとか果たした。
今回の経営危機はその教訓を生かせず、生産の7割が大型車、しかもほとんどが北米市場依存ということでガソリンの高騰と追い打ちをかけた金融危機でとどめを刺された。
従業員は54000人、代表する労組UAWは再建を早めるため、退職者医療基金への会社負担を株式で受け取り、早期再建で雇用を守ることを優先したが、結果55%の大株主となり、これからの経営責任と組合員の生活を守るという難しい立場になった。オバマ大統領は政府も出資を表明、全面的に再建を支持し、60日以内に再建を目指すという力の入れ方だ。新会社の残りの株は米国とカナダ政府が10%、残りの35%をフィアットが持ち、戦略的提携関係と発表した。北米市場依存を脱するべくフィアットが世界中に持つディーラー網を活用するとのこと。
哀れだったのが旧会社の80%の株主の買収ファンド、サーベイランス、全て無となったがウオール街の復讐があるのだろうか
エコという世界的な流れに取り残され、遺産のブランド力にしがみついたメーカーの見本で、日本の企業も同じようなことにならないように・・・
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原因不明のミツバチの大量死

2009-05-01 15:44:59 | Weblog
毎朝の食事で蜂蜜をパンにぬって食べる習慣がついて10年以上になる。かつてジュネーブに出張したときシャーベット状の蜂蜜を初めて食べたときから病み付きになった。自然食の中でも最も自然の味が生きているのではないだろうか、それだけに子供に食べさせるのは危険だと聞いた。花の種類によって味が違うが私の好みはそば蜜でやや癖があったが慣れるとその味は忘れられない。残念なことになかなか手に入らないので、最近は菜の花とかアカシアで我慢している。旅行するたびにその地方の蜂蜜を買ってくると何となくその地方の風景が思い出される。そば蜜を食べると長野伊那地方の赤そば畑が目に浮かび、昨年、ヴェトナムのミトで求めた龍眼の蜂蜜を食べるとメコン川の雄大な流れを思い出す。この3月には日向和田の梅公園で奥多摩原生林の百花蜜を買ったので楽しみである。
ところが2年前に米国でミツバチの大量死?大量行方不明?がタイム誌で次のように報じらた。ミツバチを受粉に使っているグレープフルーツなどの生産者が困っている。その原因は判らないが不思議なことに巣に戻ってこないとの記事が記憶に残っていた。昨年秋頃に日本でも同じ現象が起き始めているとの報道で、蜂蜜愛好家として注目していたところ、先日NHKの特集でイチゴ農家がミツバチが調達できず代わりのくろまる花蜂を使っているがコストがかかると嘆いていた。メロンやなすもミツバチを受粉に使っている。週刊東洋経済はミツバチ大量死の原因を次のように報じている「複数の要因が挙げられる中、主な要因として考えられているのが、卵を産む女王蜂の輸入停止の影響だ。日本では年間1万匹の女王蜂を輸入しているが、そのうち8割超を占めるオーストラリアに加えハワイでも伝染病が発生し、08年の輸入量はゼロになった。輸入減のほかに、日本国内の働き蜂が例年に比べて大幅に減少していることも響いている。ミツバチの多くは夏の繁殖期を北海道や東北で過ごすが、専門家によると昨年は一部の地域で2割以上減ったとの報告があったという」問題は日本の働き蜂が減少している原因がはっきりしないことで、農薬だとかダニだとか専門家は推測しているが、他の国との共同作戦で早く特定して欲しい。
コメント (1)
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