行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ピケティ理論を地で行く米国の金持ち

2015-02-08 18:19:14 | Weblog

オキュパイ運動が1年前に起きた米国、ウオール街に象徴される米国の富裕層はまさにピケティ理論を地で行き、資本収益の凄まじさをニューヨークタイムスは報じている。最近、世界のトップブランドフェラガモ、エルメス、シャネルなどが米国中に競って豪華な新設店舗を開店させている。背景は日本とは桁違いの富裕層がいることを示している。
5000万ドル(59億円)以上の富裕層人口の世界シェアは米国が50%弱で、最近のしてきた中国は6%、日本、ロシアはせいぜい2.5%と世界の富は米国に集中している。

しかも2008年のリーマンショックで米国の富裕層シェアは45%に落ちたがその後回復し、日本は5%のシェアが下落し続けている。これだけの統計で見ると日本の富裕層は資本収益が落ち込んでおり、デフレが影響しているのか米国より資本の運用が下手であったのか?

昨年よりアベノミックスの成果として、銀座のデパートでは高級ブラン品が売れ出した云われているが、ベインコンサルタントの調査によると、高級ブランドの衣類、アクセサリー、時計、バッグなどの購買金額は米国733億ドル(ニューヨークだけで255億ドル)、次が日本204億ドル、イタリー182億ドル、フランス173億ドル、中国169億ドルで米国の金額は日本、イタリー、フランス、中国を合わせたものより大きい。イブサンローラン社によると、昨年第3四半期の売上げは年初から3.5%伸びたが、北アメリカでは12%も伸びた。世界のトップブランドが競って米国に出店するわけだ。

オバマ大統領が富裕層への増税、中間層の減税を提起し、米国経済の底上げを狙うのも納得できる。

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石油価格の謎

2015-02-06 23:45:36 | Weblog

これまでOPECが支配してきたように見えた石油価格、昨年末から100ドルから50ドルへ半分も下落し、逆オイルショックという言葉が出てきた。1970年初頭石油ショックの記憶がはっきりと残っている自分にとってまさに歴史のドラマを見ているようだ。米国で技術革新により、シェールオイル、ガスが開発され、米国がサウジアラビア並みの産油国になったことが原因であることは事実だろう。中国の強大な石油輸入が成長の低下により需要が下落したことも寄与している。

日本にとってはこの石油価格下落はクリスマスプレゼントだと昨年のこのブログで書いた。事実ガソリン代が120円台になり細君などはもっと下がるかもと期待している。これまでの歴史とは異なり、現在は各国中央銀行が金融をジャブジャブに緩めているので投機資金も何割かは石油にむかっており、価格の見通しについてはより複雑になっている。今日あたりはWTI市場50ドルで反発をしているが、60ドルぐらいになると今止めている米国のシェールオイル井戸が生産開始をすることになり、また下がるということもありうる。ようは誰も判らないと言うことだ。

ただ1900年代から石油値段を遡り、現代価格(実質)で引き直してみると結構規則的だ。1900年からほぼ20ドル台で推移し、1973年の急騰価格は50ドル台、第2次オイルショックで1979年に100ドルへ、その後80ドル、70ドルと下落し、1980年代後半より40ドル台から1990年代後半に20ドル台に下落した。そして2006年に再び100ドル台に急騰し、今回40ドル台に急落した。この傾向から大胆に推測すると石油価格は100ドルが天井で底は20ドルから40ドルであり、今回の局面では今が底の局面だ。。

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1年遅れのピケティブーム

2015-02-04 22:12:17 | Weblog

フランスのピケティ教授が来日、多くの講演会やテレビのインタビューをこなしている。彼の理論の根幹は膨大な歴史的データから「資本収益率はこれまで経済成長率を上回ってきたため、資本を持つものは賃労働者より金融資産を増やし、所得格差が拡大してきた」というものだ。昨年格差社会米国では、1%の金持ちが資本収益で稼ぎまくり、オキュパイ運動が起きただけに共感を得てブームとなった。日本ではこの20年間世界で唯一といってもよいほど経済成長がゼロ、物価上昇率もゼロに近い中で、資本収益は低かったけどプラス、一方賃金は低下し続けマイナス状態が続き、格差社会の仲間入りをしたため、ピケティ教授の理論がなるほどと納得するわけだ。

それにしてもこの20年間日本の経済学者は何をしてきたのだろうか、経済成長が必要だということは説いても人口減少という社会現象に対応できなかったことと、資本収益率という金融の世界にはあまり関心がなかったのではなかったか。ピケティ理論に対する日本の経済学者の反応は概ね肯定的で格差社会に対する処方箋「富裕税の創設」を見逃してきたことは認めている。労働者は全て非正規社員にと言って話題をまいている竹中教授もピケティ理論に対しては格差をなくすべきだと協調している。全員が非正規社員になれば、全員給料が下がり低いレベルで格差はなくなるとでも言うのだろうか。

安倍首相は国会でピケティ氏も経済成長は大事だと言っていると答弁した。資本収益率に追いつく経済成長が大事だと確かにピケティ氏は言っているが、あくまで同時進行が重要で安倍首相が主張してきた「経済成長で大企業が儲かれば株価は上がり、やがて賃金の引き上げにつながり、大多数の中小企業の経営にもプラスになる」という段階論とは違う。ピケティ氏は賃金の引き上げが経済成長と同時進行が必要と春闘を後押ししている。

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驕ったか白鵬、来場所は出場停止に

2015-02-02 22:10:01 | Weblog

初日から満員御礼だった初場所、期待した白鵬の33回優勝の大記録も実現し、万々歳で終わったかに見えた。ところが横綱白鵬が稀勢の里との取り直しの一番でこともあろうに判定にクレームをつけた。しかも発言内容が次のように信じられないものだ。白鵬の発言「子どもが見ても分かるような相撲」「ビデオ判定するのは元お相撲さんでしょ? 取り直しの重みってのは一番分かってるはずなんだよね」
昔と違ってビデオで見た結果を4人の審判団が協議して決めた判定で、私情の余地はないし、放送では私を含め多くのファンが見ている。私は60年以上も相撲を見ている。どう見てもあれは取り直しが順当だった。注

審判団は皆先輩の経験者で、それを子供扱いするとは特別扱いをされている横綱の奢りとしか考えられない。おごり高ぶった朝青龍を思い出す言動だ。プロ野球なら即退場扱いだ。興行第一の弱腰相撲協会は今回も本人に直接懲戒もなく、親方を呼んでの注意だけ、実に甘ちゃんだ。少なくとも来場所は出場停止にすべきだ。相撲取りが審判団にいちいちクレームをつけさせたらどうなるか考えるべきだ。

これも白鵬人気に頼って来た大相撲だからの結果だ。鶴竜、日馬富士の2横綱、稀勢の里、豪栄道、琴奨菊の大関陣がしっかり精進して貰いたい。

注 写真やビデオでも明らかに白鵬の右足が反っている(甲が砂に着いている)。一方稀勢の里も両足が浮いて死に体だった。
公認相撲規則の勝負規定第6条には「足の裏以外の体の一部が、早く砂についた者を負けとする」とある。白鵬はこの規則を知らなかったのか。

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