中央最低審議会で2016年の最低賃金の目安が示されたことは先日のブログで触れた。これから10月までに県別に地方最低賃金審議会で目安を元に決めることになるが、今回の目安では東京の25円増932円~鳥取・高知・宮﨑・沖縄の21円増714円まで200円以上の格差がある。これまでにないパートアルバイト不足の現在、この県間の差が問題となる。
東京と山梨(737円)では195円の差で、6時間パートで1170円、8時間フルタイマーだと1560円もの差だ。山梨県上野原市から小仏トンネルをぬければ東京都だ最近は通勤電車も東京行きがあり、それほど時間はかからず八王子に出られる。東京のパート不足はひどく時給も1000円が当たり前、多少時間がかかっても山梨からの通勤が増える。
Cランクの奈良も生駒のトンネルをこえれば大阪で、私も大阪時代は奈良の学園前から堂島まで1時間通勤をした。奈良(762円)県民も大阪(883円)への出稼ぎは当たり前で地元の業界は人出不足で悲鳴を上げているとのニュース。
愛知県と県境を接する静岡県湖西市の三上元市長が8月1日、静岡県庁内で、労働団体の静岡県評と共に会見を行い、静岡地方最低賃金審議会に意見書をとの報道、愛知県(845円)へ全国ワーストクラスの人口流出が止まらないから最賃を上げてくれとの意見書だ。Bランクの静岡は807円、Aランクの神奈川と愛知に挟まれてる。このケースは夫は時間をかけても湖西市に通勤し、妻のパートのため愛知県に移るということだから三上市長としては真剣だ。
県単位で最賃を決める以上こうした矛盾は止む得ないかもしれないが、AとBは大きな差はないので統合するとか検討の余地はある。
ランク別目安額と現行最賃額(2015年)2016年の最賃は目安額と現行最賃を加えた額
A 25 円 東京907、神奈川905、大阪858、愛知820、千葉817
B 24 円 埼玉820、京都807、兵庫794、静岡783、三重771、広島769、滋賀764、栃木751、
茨城747、富山746、長野746
C 22 円 北海道764、岐阜754、福岡743、奈良740、
群馬737、山梨737、石川735、岡山735、
福井732、新潟731、和歌山731、山口731、
宮城726、香川719
D 21 円 福島705、山形・島根・愛媛696、青森・岩手・秋田・徳島695、佐賀・長崎・熊本・大分・鹿児島694、
鳥取・高知・宮崎・沖縄693