この機に 『三陸海岸大津波』(吉村昭著)を読む。
著者自ら現地を歩いて調査し
明治29(1896)年 昭和8(1933)年 昭和35(1960)年
のチリ地震津波を中心に 津波のすさまじさと 津波と闘い
つづけた人々を記録している。
この他に貞観11(869)年を始め明治27(1894)年までに
15回も津波が発生しており 本の腰巻にもあるように
”繰り返し”の文字が重く感じらる。
著者は 街の家並みと不釣り合いな防潮堤を見て
「その対比に違和感をすら抱いたが 同時にそれほどの
防潮堤を必要としなければならない海の恐ろしさに
背筋の凍りつくのを感じた。」と述べている。
今回の震災の経験が 後世へどのように受け継がれて
活かされていくか 決して”繰り返し”のないことを祈る。