日本経済新聞 (2004/1/24)
8月30日は
小説家 有吉佐和子が
亡くなった日。
1931(昭和6)年1月
和歌山市で生まれる。
銀行勤務の父とともに
幼時から外国で暮らし
国内でも転校を繰り返した。
東京女子大学短期大学部
在学中から創作活動を始め
1956(昭和31)年
伝統芸術の世界を描いた
「地唄」が芥川賞候補と
なって文壇にデビュー。
その後 紀州を舞台にした年代記
「紀ノ川」「有田川」
「日高川」の三部作
一外科医のために献身する
嫁姑の葛藤を描く「華岡青洲の妻」
「出雲の阿国」「和宮様御留」と
数々のヒット作をだした。
そして社会問題に鋭い目を向け
認知症老人を扱った
「恍惚の人」 (1972年)
環境汚染問題に迫った
「複合汚染」(1977年)は
ともに大ベストセラーとなり
“恍惚の人” “複合汚染” は
その年の流行語になった。
また 演劇にも造詣が深く
いくつかの戯曲作品があり
自作小説を中心に脚本化や舞
台演出も数多く手がけた。
1984(昭和59)年8月30日
急性心不全にて死去。 享年53
「恍惚の人」は
認知症をいち早く扱った作品だが
当時まだ介護保険制度がなく
これがきっかけで
痴ほう・介護問題が
クローズアップされ
2004(平成12)年4月
介護保険制度ができた。
痴呆症は
脳や身体疾患を原因として
慢性的に低下を
きたした状態で、
社会生活、家庭生活に
影響を及ぼす状態に
75歳以上は 10%
85歳以上は 20%~25%
発症しているそうだ。
当方も
その発症の域に入っている。
人のお世話にならぬよう
お世話ができるよう・・・・