あかない日記

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水上 勉

2020-09-08 | 人物忌

(日本経済新聞 2003/9/27)

 

9月8日は 
小説家 水上 勉が
亡くなった帰雁忌。

水上 勉は
1919(大正8)年 福井県に生まれ。
幼時臨済宗相寺の徒弟になる。

立命館大学国文科中退。
宇野浩二 に師事。

1961(昭和36)年
 「雁の寺」で 直木賞。

 社会派推理小説の「飢餓海峡」
 女性の宿命をえがいた
「越前竹人形」などで
 流行作家となる。

1971(昭和46)年
 「宇野浩二伝」で 菊池寛賞

1984(昭和59)年
 「良寛」で 毎日芸術賞

1998(平成10)年
 文化功労者。 芸術院会員。

2004(平成16)年9月8日死去。
 享年85


作品「五番町夕霧楼」
「越前竹人形」は

母性思慕をモティーフとして
女性の目覚ましい進出時と
相まって人気になった。

また 自らの経歴体験を
もとにした「雁の寺」では
直木賞受賞し

「宇野浩二伝」「一休」
「寺泊」「金閣炎上」
「良寛」などがある。


更に 北陸や京都を舞台とした
「五番町夕霧楼」
「越前竹人形」などでは

弱者の視点から
社会を描いている。

 

特に「飢餓海峡」では
純文学と推理小説の
間の境界線が消え

純文学作家が 次々に
推理小説にも筆を進めており

推理小説でデビューした作家が
一般の文学賞を取ることも
珍しくなくなった。



  青森県下北半島西岸「仏ケ浦」