昔、「夜逃げ屋本舗」という映画を見たことがあるのですが、あの「夜逃げ」は借金取りから逃れるという意味でした。
←結婚してから初めてわかることもある
今日読んだ「夜逃げ屋日記」(宮野シンイチ)という漫画は、借金がらみというより、ストーカーやDVから逃れるための「夜逃げ」。
典型的には、DV夫が仕事に行っている隙に、一気にパッキングから撤収をして被害者もろとも引っ越し先へ送り届けるというようなケースで、その場合は「昼」逃げですね。
依頼者についてはプライバシーに配慮してどこの誰だかわからないようにしているけれど、ほぼ実話だそうです。
確かにそういうニーズはあるでしょうが、そんな「特殊引っ越し」を実際に引き受けている会社があるというのがまず驚きです。
必要な業務は多岐にわたります。追っ手から見つかりにくい引っ越し先の準備、既にメンタル面が危ういところにある場合も多い依頼者のサポート、迅速な荷造り・引っ越し作業はもちろんですが、法律的な手続きやら依頼者の今後の生活についてなど…。物理的な暴力をふるう相手と対峙しなければいけないこともないではありません(急に帰宅したなど)。
そして依頼者は、お金にも困っていることが多いでしょうから、たっぷり払ってもらうというのも難しいわけです。
いったい、どんな人がこんな業態を成り立たせているんだ…?? と不思議に思いますが、社長さん(女性)はDVからの夜逃げ経験があり、そんなところからこの会社の立ち上げに至ったようです。そこにはアツい思いがあると共に、細かいところまで蓄積された実践的ノウハウがあるのでしょう。
そして次に、その会社の行う「特殊引っ越し」の様子がこうやって漫画に描かれていることが驚きですが…
この話は、なかなか売れないでいる漫画家が、テレビでこの会社のことを見て、漫画にしたいと思って取材を申し込んだところから始まります。アポとって取材にいくと、急に現場が入ったから手伝いに来れば取材もできてちょうどいいでしょう的な流れでいきなりリアル引っ越しへ。その後スタッフの一員として働きながら漫画を描いているのです。なんかいろいろとすごいな。
読後の感想ですが:
いろんな「夜逃げ」ケース、それぞれがようやく心身の安全を確保して新生活に向かっていく様子はムネアツなんですけど、ひとつ割り切れない気持ちは残ります。
だって…ストーカーとかをした側じゃなくて、された側が、怖い思いして、引っ越し費用の負担はもちろん、馴染のない土地での新生活、新しい仕事、引き続き居場所を知られないように慎重に生活するとか、多大な負担をひっかぶらなくてはいけないのか。理不尽と思ってしまいます。
でももちろん「特殊引っ越し」ができることでひとまず体勢を立て直し、身の安全を確保したうえで今後の生活を一歩一歩作っていけるということでそれはもう、ないよりずっといいんですけど。
それと。ある意味とても印象に残ったエピソード。
漫画を描くきっかけともなったテレビ番組(取材)ですが、引っ越し費用にも困る依頼者さんがいたときに、テレビ局が「取材させてくれれば依頼料を肩代わりします」ということだったそうです。それでテレビクルー付きの引っ越し作業となったのですが、その荷物梱包中に、
蕎麦ひと箱(乾麺)が出てきて、社長さんが、
「賞味期限切れてるけど、この蕎麦どうする? 持っていく??」
と依頼者さんに尋ねたということがありました。経済的に困ってるわけだから、ちょっと賞味期限切れてるくらいなら、蕎麦もあったほうがいいかなという趣旨ですが
テレビではそれが、「荷物はトラック一台分しか載せられないため荷物の厳選は徹底されている」という説明の次に
「この蕎麦どうする? 持っていく??」
と切り取られ、いやー蕎麦ひと箱くらい抱えてでもなんでも持っていけるでしょみたいに笑いを取るシーンとして使われてしまったのです。
んー、テレビならやりかねん。
そういうところよくない、と思うと同時に…そういう番組があって初めて世に知られる(漫画家さんもそれで知った)という面はあるとも思う。
それと、依頼費用がなかったという問題が解決できたわけで…いやしかしそういう、お金困ってるでしょ? 取材させろってのも嫌な話ですが。
(社長さんはその切り取りを見て、依頼者さんまで笑いものにされたのが許せず、
高めに請求して余分は依頼者さんにあげたそうです)
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今日読んだ「夜逃げ屋日記」(宮野シンイチ)という漫画は、借金がらみというより、ストーカーやDVから逃れるための「夜逃げ」。
典型的には、DV夫が仕事に行っている隙に、一気にパッキングから撤収をして被害者もろとも引っ越し先へ送り届けるというようなケースで、その場合は「昼」逃げですね。
依頼者についてはプライバシーに配慮してどこの誰だかわからないようにしているけれど、ほぼ実話だそうです。
確かにそういうニーズはあるでしょうが、そんな「特殊引っ越し」を実際に引き受けている会社があるというのがまず驚きです。
必要な業務は多岐にわたります。追っ手から見つかりにくい引っ越し先の準備、既にメンタル面が危ういところにある場合も多い依頼者のサポート、迅速な荷造り・引っ越し作業はもちろんですが、法律的な手続きやら依頼者の今後の生活についてなど…。物理的な暴力をふるう相手と対峙しなければいけないこともないではありません(急に帰宅したなど)。
そして依頼者は、お金にも困っていることが多いでしょうから、たっぷり払ってもらうというのも難しいわけです。
いったい、どんな人がこんな業態を成り立たせているんだ…?? と不思議に思いますが、社長さん(女性)はDVからの夜逃げ経験があり、そんなところからこの会社の立ち上げに至ったようです。そこにはアツい思いがあると共に、細かいところまで蓄積された実践的ノウハウがあるのでしょう。
そして次に、その会社の行う「特殊引っ越し」の様子がこうやって漫画に描かれていることが驚きですが…
この話は、なかなか売れないでいる漫画家が、テレビでこの会社のことを見て、漫画にしたいと思って取材を申し込んだところから始まります。アポとって取材にいくと、急に現場が入ったから手伝いに来れば取材もできてちょうどいいでしょう的な流れでいきなりリアル引っ越しへ。その後スタッフの一員として働きながら漫画を描いているのです。なんかいろいろとすごいな。
読後の感想ですが:
いろんな「夜逃げ」ケース、それぞれがようやく心身の安全を確保して新生活に向かっていく様子はムネアツなんですけど、ひとつ割り切れない気持ちは残ります。
だって…ストーカーとかをした側じゃなくて、された側が、怖い思いして、引っ越し費用の負担はもちろん、馴染のない土地での新生活、新しい仕事、引き続き居場所を知られないように慎重に生活するとか、多大な負担をひっかぶらなくてはいけないのか。理不尽と思ってしまいます。
でももちろん「特殊引っ越し」ができることでひとまず体勢を立て直し、身の安全を確保したうえで今後の生活を一歩一歩作っていけるということでそれはもう、ないよりずっといいんですけど。
それと。ある意味とても印象に残ったエピソード。
漫画を描くきっかけともなったテレビ番組(取材)ですが、引っ越し費用にも困る依頼者さんがいたときに、テレビ局が「取材させてくれれば依頼料を肩代わりします」ということだったそうです。それでテレビクルー付きの引っ越し作業となったのですが、その荷物梱包中に、
蕎麦ひと箱(乾麺)が出てきて、社長さんが、
「賞味期限切れてるけど、この蕎麦どうする? 持っていく??」
と依頼者さんに尋ねたということがありました。経済的に困ってるわけだから、ちょっと賞味期限切れてるくらいなら、蕎麦もあったほうがいいかなという趣旨ですが
テレビではそれが、「荷物はトラック一台分しか載せられないため荷物の厳選は徹底されている」という説明の次に
「この蕎麦どうする? 持っていく??」
と切り取られ、いやー蕎麦ひと箱くらい抱えてでもなんでも持っていけるでしょみたいに笑いを取るシーンとして使われてしまったのです。
んー、テレビならやりかねん。
そういうところよくない、と思うと同時に…そういう番組があって初めて世に知られる(漫画家さんもそれで知った)という面はあるとも思う。
それと、依頼費用がなかったという問題が解決できたわけで…いやしかしそういう、お金困ってるでしょ? 取材させろってのも嫌な話ですが。
(社長さんはその切り取りを見て、依頼者さんまで笑いものにされたのが許せず、
高めに請求して余分は依頼者さんにあげたそうです)
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