アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

聖マリ入試不正、差別の認識なし(キリッ)

2020年02月01日 | 大学受験
医学部の入試で男女差別してたのが話題になってたのって、2018年の夏くらいだったでしょうか。あちこちでバレたんで、あまり露骨なことができなくなって、その次がちょうどはなひめたちの学年の大学入試だったから、よかったかなと思ったものです(はなひめは医者志望じゃないけど友だちとかいるから)。

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んで、みんながその話題から離れた今年になってようやく、聖マリアンナ医大について第三者調査委員会の報告書が出ました。
医学部「女子差別」を 第三者委に認定された聖マリアンナ医科大が“開き直り”

一次試験が400点(英語100, 数学100, 理科200)
二次試験が200点(面接100, 小論文100)
の600点満点というところまでが入試要項に書かれていること。

そこに「志願票・調査書」の内容を見て「総合的に」評価しているというのだが、ここが「調整可能(?)」なところで、

2015年度 配点80点、うち「男」点は18点
2016年度 配点80点、うち「男」点は19点
2017年度 配点160点、うち「男」点は60点
2018年度 配点180点、うち「男」点は80点

年々、「志願票・調査書」の配点をすごく増やしていますね。さらにその中の男子加点を増やしてますから…それにしても、80点ってそれ、8割得点できた英語が丸ごとふっとぶ勘定ですよ。

大学が「差別なんかしてないもん」って言ってるのに第三者委員会がなぜ差別(性別による一律加点)を認定したかというと、「志願票・調査書」の評価をするときに使ってたExcelシートに「男性調整点」ってカラムがあったとか(爆)、調整を認識してたことが明らかなメールがあったとか、性別年齢を隠してあらためて「志願票・調査書」を評価してもらったら入試のときとぜんぜん違った点がついたとかで、そりゃもうハイやってましたねってなものなのですが。

この明々白々な調査結果を受けて大学がなんといってるかというと
本学医学部入学試験に関する「第三者委員会」の調査報告書について(大学の公式ページ)

「本学といたしましては、一律機械的に評価を行ったとは認識しておりませんが、かかる報告を踏まえ、意図的ではないにせよ、属性による評価の差異が生じ、一部受験者の入試結果に影響を及ぼした可能性があったとの認識に至りました。」
(訳)…そんなつもりじゃなかったけど、属性によって評価が違うことがあったかも…一律とかじゃないよ!!

それで、当然この「点数調整」で落ちた女子も多かっただろうけど、それに対して、今から入学させてあげます的な措置ではなくて(もっとも、古い話だったりするし今から言われても困るかも)、なんと!!

「受験料6万円返します」(o_o) エーーッ そこ?? それだけ??

この開き直りっぷりはすがすがしい。「志願票・調査書」を個々の評価者が見るときに、「おぉ、ずいぶん本格的にスポーツやってたんだな」とかいう類の「心証」があるとすれば、同様の一つとして「おぉ、男子だ」ってのがあって、それがまぁ80点だったと。

だったらなんなのか、仮に上からの指示なしに評価者揃ってそういうことをやっていたとしたら、どんだけ統率とれたジェンダーバイアス持ってるのって。自慢にもなりゃしないんだけど。ともかく、大学がこれを差別と思わないっていうんだから再発防止も何もあったもんじゃない。

そもそもなんで、そんなに女子が嫌なのかといえば、実のところ、育児家事負担が女性に偏りがちなこと(仮に医師同士カップルであっても)、つまり昨日の記事の育休の話と深く関わっているといえます。

上から「差別やめなさい」というのはあまり効き目はなくて(たとえば調査書での調整をやめて面接で調整するとか、調整に使ったExcelは絶対痕跡が残らないように廃棄するとかになっちゃう)、「おぉ男子だ」(取りたい)というその本音が溶けて消えるくらいに、状況がじわじわ変わっていくというのが必要なのでしょうけれども…

じわじわ変わり終わるまでは、ちょっとぎこちなくても、露骨な差別だけはやめさせる(補助金カット)とか、育児する気がいまいちない男性でもとりあえず育休とらせるとか、できるところから形を変えてみるしかないですね。


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2 コメント

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強制育休的合宿コース、とか (ぎどん)
2020-02-03 10:21:00
前にもどっかで書いたことある気がしますが。

昔なら、幼い兄弟姉妹の面倒見てたとか、
自分がまだ実家住まいの時に年が離れた跡取り夫婦に子供ができたとかで、
女性は、自分の子供持つ前に、子供の面倒見てた経験がある、
という、男女差の傾向があったと思います。

でも今の核家族少子化の時代、
女性だって、自分の子供持つまで、子供の面倒みたことなんかないわけで。
自分の子供の沐浴させる以前に、
他人の子供の沐浴させたことがあります、
っていう経験がある女性なんて、ほとんどいないと思う。

でも、父親と母親のスキルの差、みたいなものは、よく見受けられますよね。
まずどこで差が付くかって言うと、
母親は産前産後に強制的に「合宿免許」みたいに4-5日つきっきりで赤ん坊の世話をさせられて、
そこで父親と母親のスキルに差がつくわけですよね。

だったら父親も、強制的に「合宿免許」的に
子どもの世話させるコースを作ればいいじゃん。

…と思ったりします。
アンダンテさんの

>> 育児する気がいまいちない男性でもとりあえず育休とらせる

と同じ思考だった(笑)。

ただ、医者はハードワークなので、
子供二人産むとしたら、育休取らなくても、
妊娠期間含めて一人一年、合計二年の断絶は、
明確なハンデにはなりますね…。
その間、職場が動くだけの仕組みがないとダメだねー。
職場が動いたとしても、外科医なんかは本人の技術保持をどうするか、みたいな問題もあるでしょう。
戦闘機乗りとか、技術維持が必須でミッションクリティカルな職業は、いろいろ考えないといけないでしょうね。
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> ぎどんさんへ (アンダンテ)
2020-02-06 16:30:41
そうねぇ、我々世代は学校教育(技術家庭科)からして男女同じではなかったんだけれども、そんなのいくらも効きゃしないんで、結婚/出産ののち切実になるまでは女性だってトーシロです。

強制合宿期間があればよいわけですね(^^;;

> 妊娠期間含めて一人一年、合計二年の断絶
ブランク一年は長いでしようね…外科医とかね。
私が愛読している漫画かいてる人は勤務医で外科医でオタクで三児の母だけども。どうして成り立っているのか…少なくとも産前とかかなりぎりぎりまで働いているようにみえるけど、それができるかどうかは個人にもより、職場にもよりってことでしょうか。


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