白内障ってのはレンズが濁っているのだから、それを取り除けば光が通るはず、というのは理屈としては正しく聞こえるけれど、その手術をしたほうがいいかは別の問題。
←今の医学でもまだまだ迷いはいっぱい
バッハさんも、手術したあげくにやっぱり失明するわ激痛だわ、あげくに亡くなったのだからほんとに気の毒である(人類にとっての大きな損失でもあった)。
テイラーと大して変わらない時代の、ジョンはジョンでもジョン・ハンターは、衛生環境の整わない戦場で手術をするより、放置のほうが生存率が高まることを数で示し、手術しないことを主張したのに…あんだけ切るの好きな人が…そして上司に睨まれたんだけど。
もちろん現代日本ではジョン・テイラー並みのヤブ医者は医者として存在しないこと(存在してはいけないこと)になっているのでそこまでの心配はない。医者も、理屈から考えてこれで治るハズといって切る判断をしていいわけではなく、切るのと切らないのとどちらが患者の利益になるのか実証的に(科学的に)判断する、ことになっている。
ただそうやって真剣に誠実に専門家が考えても、やはり意見が割れたりするような微妙なケースになると、結局患者個人としては悩ましいのだけれども…
と、バッハから無理やり話をひっぱったが、いくら偉大でも死んでからそんなに経ってる人については今更どうでもよいので、というかどうすることもできないので、気になっているのは福島の甲状腺癌の話である。
原発の事故を受けて、福島の子どもたちについては大規模に検診を行うことになり、調べてみたらばずいぶんな高率の癌発生。多くの手術が行われた。
そんだけの癌が原発事故が原因で起きたんだったらそれはもう大問題なんだけれども、
今のところ、常識的には(?)原発事故とは無関係ということになっている。
無関係といいきれるのかどうかについても疑問がないわけではないけれど、
まぁとりあえず無関係だということにするならば、今度は
過剰診療(手術)ということがこれはこれでとても大きな問題だ。
ふつう、検査もしない、手術もしない、のほほんと暮らしているところ、
検査をして(これだって負担だ)、手術をして(これはもうめちゃくちゃ大変、リスクもあるし)これがしなくてすむものなんだったとすると大損だ。これは、誰のせいなの??(*)
…無関係といえるのかどうかを判断するための論点がよくまとまっていたページ「福島・甲状腺がん「多発」? 原発事故との関連は」がありました。
検査すると見つかってしまう論というのは、
・早期発見した(ふつうならもっと年月経ってから見つかるはずのものがまとまってみつかっているのかもしれない)
・潜在癌を見つけた(ふつうなら一生気づかずにすごすはずのものがみつかっているのかもしれない)
ということの影響を言っているのですが、
いずれの効果も考えられるけれども、
・手術してみたら転移などの率が高く、通常の基準でも手術適応であったこと
・二巡目検査で新たに見つかったものは「急成長したもの」なのではないか
・子どもの検診でそんな率の潜在癌がみつかるのはおかしいのではないか
などの疑問点があり、「いらんもん見つけただけだ」とすっぱり結論するほどには明らかでない。
そして、癌発生率の高さが原発事故のせいではないとする人たちが使っている根拠についてもまとめられていますが
・被ばく線量がチェルノブイリよりも小さい
・放射線被ばくから4年以内の発症は早すぎる
・ベルラーシと患者の年齢分布が異なる
・汚染度との相関がみられない
これがね。またいろいろはっきりしない点があってなんとも…
それで、このページの結論は、「関係あるとも、関係ないとも、現時点ではいいきれないということで、これについては私もほぼ同意します。
でもね…さらに「じゃあどうすればいいのか」ということについて、このページの筆者にはまったく同意できませんわ。
この筆者は、検査範囲を広げ(大人にも、あるいは福島以外にも)、体系的・継続的な検査を行えるように、人的・予算的な体勢整備その他の必要性について述べているのですが。
結局のところ過剰医療過剰手術だったごめんなさいって結論になる可能性(これもけっこうある)を考えたら、検査を受けたり(子どもに)受けさせたりする気には到底ならない。
検査って、たかが検査と思う人もいるだろうけど、検査して、何かわかったら、気になるでしょ? 福島の子どもたちも結局は手術受けたわけで、検査するってことは、見つかったら手術するって話に直結しているんです。ほんとうに、手術受けたほうが得なのかどうかを知らないで、気軽に検査しちゃうってのは、なんか変だと思います。
もちろん調査して、良くも悪くも実態がわかるとすればそれは社会的な利益だけれども。そのためにこの身を(または子どもの身を)提供するのかどうかという…
私が妊娠したころは、出生前診断の出たてで、血液だけで検査できるってんで気軽に受けた人も多かったけど、あれは偽陽性が多かったから、羊水検査して(痛いしリスクもある)超不安な一か月とかを過ごして、それで「大丈夫です」ってことになり、それは結構だけれども心配して痛い思いして安くはないお金を払っただけ大損って人もけっこういたんですよ。
みんな(特に日本人?)検査好きだよねぇ、私はそんなに好きじゃないです。甲状腺癌の件でいえば、原発の影響なのかどうかが簡単にはわからないとしても、まずは何は切ったほうが「ほんとうに」お得なのかどうかってところをはっきりしてほしいものです。
(*)誰ってそりゃ、原発のせいです。結論がこっちだとしてもものすごい罪深さ。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←今の医学でもまだまだ迷いはいっぱい
バッハさんも、手術したあげくにやっぱり失明するわ激痛だわ、あげくに亡くなったのだからほんとに気の毒である(人類にとっての大きな損失でもあった)。
テイラーと大して変わらない時代の、ジョンはジョンでもジョン・ハンターは、衛生環境の整わない戦場で手術をするより、放置のほうが生存率が高まることを数で示し、手術しないことを主張したのに…あんだけ切るの好きな人が…そして上司に睨まれたんだけど。
もちろん現代日本ではジョン・テイラー並みのヤブ医者は医者として存在しないこと(存在してはいけないこと)になっているのでそこまでの心配はない。医者も、理屈から考えてこれで治るハズといって切る判断をしていいわけではなく、切るのと切らないのとどちらが患者の利益になるのか実証的に(科学的に)判断する、ことになっている。
ただそうやって真剣に誠実に専門家が考えても、やはり意見が割れたりするような微妙なケースになると、結局患者個人としては悩ましいのだけれども…
と、バッハから無理やり話をひっぱったが、いくら偉大でも死んでからそんなに経ってる人については今更どうでもよいので、というかどうすることもできないので、気になっているのは福島の甲状腺癌の話である。
原発の事故を受けて、福島の子どもたちについては大規模に検診を行うことになり、調べてみたらばずいぶんな高率の癌発生。多くの手術が行われた。
そんだけの癌が原発事故が原因で起きたんだったらそれはもう大問題なんだけれども、
今のところ、常識的には(?)原発事故とは無関係ということになっている。
無関係といいきれるのかどうかについても疑問がないわけではないけれど、
まぁとりあえず無関係だということにするならば、今度は
過剰診療(手術)ということがこれはこれでとても大きな問題だ。
ふつう、検査もしない、手術もしない、のほほんと暮らしているところ、
検査をして(これだって負担だ)、手術をして(これはもうめちゃくちゃ大変、リスクもあるし)これがしなくてすむものなんだったとすると大損だ。これは、誰のせいなの??(*)
…無関係といえるのかどうかを判断するための論点がよくまとまっていたページ「福島・甲状腺がん「多発」? 原発事故との関連は」がありました。
検査すると見つかってしまう論というのは、
・早期発見した(ふつうならもっと年月経ってから見つかるはずのものがまとまってみつかっているのかもしれない)
・潜在癌を見つけた(ふつうなら一生気づかずにすごすはずのものがみつかっているのかもしれない)
ということの影響を言っているのですが、
いずれの効果も考えられるけれども、
・手術してみたら転移などの率が高く、通常の基準でも手術適応であったこと
・二巡目検査で新たに見つかったものは「急成長したもの」なのではないか
・子どもの検診でそんな率の潜在癌がみつかるのはおかしいのではないか
などの疑問点があり、「いらんもん見つけただけだ」とすっぱり結論するほどには明らかでない。
そして、癌発生率の高さが原発事故のせいではないとする人たちが使っている根拠についてもまとめられていますが
・被ばく線量がチェルノブイリよりも小さい
・放射線被ばくから4年以内の発症は早すぎる
・ベルラーシと患者の年齢分布が異なる
・汚染度との相関がみられない
これがね。またいろいろはっきりしない点があってなんとも…
それで、このページの結論は、「関係あるとも、関係ないとも、現時点ではいいきれないということで、これについては私もほぼ同意します。
でもね…さらに「じゃあどうすればいいのか」ということについて、このページの筆者にはまったく同意できませんわ。
この筆者は、検査範囲を広げ(大人にも、あるいは福島以外にも)、体系的・継続的な検査を行えるように、人的・予算的な体勢整備その他の必要性について述べているのですが。
結局のところ過剰医療過剰手術だったごめんなさいって結論になる可能性(これもけっこうある)を考えたら、検査を受けたり(子どもに)受けさせたりする気には到底ならない。
検査って、たかが検査と思う人もいるだろうけど、検査して、何かわかったら、気になるでしょ? 福島の子どもたちも結局は手術受けたわけで、検査するってことは、見つかったら手術するって話に直結しているんです。ほんとうに、手術受けたほうが得なのかどうかを知らないで、気軽に検査しちゃうってのは、なんか変だと思います。
もちろん調査して、良くも悪くも実態がわかるとすればそれは社会的な利益だけれども。そのためにこの身を(または子どもの身を)提供するのかどうかという…
私が妊娠したころは、出生前診断の出たてで、血液だけで検査できるってんで気軽に受けた人も多かったけど、あれは偽陽性が多かったから、羊水検査して(痛いしリスクもある)超不安な一か月とかを過ごして、それで「大丈夫です」ってことになり、それは結構だけれども心配して痛い思いして安くはないお金を払っただけ大損って人もけっこういたんですよ。
みんな(特に日本人?)検査好きだよねぇ、私はそんなに好きじゃないです。甲状腺癌の件でいえば、原発の影響なのかどうかが簡単にはわからないとしても、まずは何は切ったほうが「ほんとうに」お得なのかどうかってところをはっきりしてほしいものです。
(*)誰ってそりゃ、原発のせいです。結論がこっちだとしてもものすごい罪深さ。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
でも、私のような中年のお年頃(!)になった場合、年に一回、何がしかの健康診断を受けることは必要だと思っています。特に、専業主婦は積極的に受けないとなかなか機会が得られないので。
実は今から8年ほど前、現在中2の娘が幼稚園生の時に受けた人間ドックで異常が見つかり、手術を受けました。約2年後の定期検診で「もしかして再発?」という事態に陥ったときには大変焦り、「私の目の黒いうちに、この子を何とか・・・」と思ったのが娘の中学受験を考え始めたきっかけです。
はじめは大学付属にと思っていたのですが、結局術後5年で再発なしで終診となり、すっかり志望校は変わってしまいました。でも、結果的に娘にぴったりの学校にご縁があり、母にも素敵な出会いがあって、「生きていてよかった(^-^)」を実感しています。
アンダンテさんも4月に乳がんの検査を受けられたのですよね?ゆるゆるとでもいいので、ときどきは検査を受けてくださいね!
要するに、リスクが上がってくれば検診の利益は増えるし、検診を受けるべきかどうかという判断も相対的なものですね。
私の場合、しっかり大きいしこりがあったから検査してみたのですが(^^;; これがなくなるわけじゃないので、この先の検査のタイミングは自分で作るしかありませんね。
それにしても中学受験がそんなきっかけだったとは…
まぁ結果オーライ的な?
再発なし、生きててほんっっとぅーーによかったです。