妖稚園に就職して1年、筋が良いと言われて萌黄組の担任を任された。この組の園児は今まで担任していた紅葉組の園児と違って生粋の妖怪が多く、故に責任も重くなる。そして遂に、今の時代に小豆を洗う意味が判らないと園児に相談された僕は、実話怪談集で読んだ現代社会に生きる小豆洗いの話をした。
夜更けのオフィスビルで発生する怪音を実に事も無げに『小豆洗いだ』と言ってのける登場人物を示して「妖怪は人間がいればどこでも仕事が出来るんだよ」と諭すと、まだ頑張ってみると微笑んでくれた。
やはり、こう言うときには心底からこの仕事を選んで良かったと思う。
夜更けのオフィスビルで発生する怪音を実に事も無げに『小豆洗いだ』と言ってのける登場人物を示して「妖怪は人間がいればどこでも仕事が出来るんだよ」と諭すと、まだ頑張ってみると微笑んでくれた。
やはり、こう言うときには心底からこの仕事を選んで良かったと思う。