この国で錬金術師を名乗るには国家試験に合格しなければいけないので、たぶん旦那様も資格者なのだろうが、客間にそれらしい書状やメダルは飾られていないので、ごくたまに仕事を依頼に訪れるお客様が不審の念を示すことがある。
でも、一度だけ旦那様が礼服姿で王城に赴いた際に身に付けたメダルは他の錬金術師とは違う虹色の輝きを放っていて、とても綺麗だった。
それが錬金術師にとって究極の精錬物質である賢者の石であるという噂を僕が知ったのは、ずっと後日になってからだ。
でも、一度だけ旦那様が礼服姿で王城に赴いた際に身に付けたメダルは他の錬金術師とは違う虹色の輝きを放っていて、とても綺麗だった。
それが錬金術師にとって究極の精錬物質である賢者の石であるという噂を僕が知ったのは、ずっと後日になってからだ。