怪しむ間もなく耳元で鋏が鳴り、髪の毛が散り落ちる。男の手には床屋用の鋏があり、私の髪はそれで切られたらしい。
何があったのか判らず呆然としていると、床に散った私の長い髪が、まるで足のない虫が暴れるようにのたうち回ってから嫌な匂いと共に焦げ縮んだ。そこまで確認すると、これでもう大丈夫だと男が笑いながら鋏を仕舞う。
髪を媒体に掛けられたという私に対する呪いは、こうして終わった。
何があったのか判らず呆然としていると、床に散った私の長い髪が、まるで足のない虫が暴れるようにのたうち回ってから嫌な匂いと共に焦げ縮んだ。そこまで確認すると、これでもう大丈夫だと男が笑いながら鋏を仕舞う。
髪を媒体に掛けられたという私に対する呪いは、こうして終わった。