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カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第六十三景・かざはながひとひら、ふたひら

2019-03-20 22:57:02 | 桜百景
たかあきは、粉雪の公園と桜の花に関わるお話を語ってください。

 落葉も終わって誰も見向きもしなくなった冬の桜樹を見上げながら、空を舞う風花が桜の花弁のようだねと彼は言った。来年になったらと言いかけて言葉を止めた彼は春になる前に故郷に戻ることが決まっていて、あの日の私との誓いすら風に舞い果てて消え去ったたように、二度とこの桜が花開く姿を見ることはないのだ。
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