本日(6月9日)四国地方も梅雨入りです。
最高気温20、8度(最低気温18、9度)。
ガシャガシャ、シトシト、ザァザァ、にぎやかに降る雨。
大雨の(梅雨入りの)サンデーです。雨は、夜には止みそうです。
16:00現在。
四万十川の水位は、平水+1メーター(川登)↑(家地川ダム&津賀ダム)ダム放流量は383㌧↑
週明けの川は、水量たっぷり。カヌーで長距離を下るには、よい良い流れとなりそうです。
梅雨入り初日の空気は、ひんやり。
押し入れから厚手のフリースをひっぱりだして着て、下半身をシュラフに突っこみ読書です。
「カヌーで行く時は、他の乗り物と異なり、目に入るすべての風景は自分の腕で稼いだものだから、
それだけ感銘も深い。この山の向こうにどんな世界があるのか、とカーブを曲がる時は胸がときめく」
「江川崎を過ぎると、四万十川はおだやかになり、大河の風貌を帯びる。
しかし、流れは早く、深い流れにのって滑るように下っていくのは気持良かった。
山また山が折り重なり、そのすそを縫って川は流れた。人間の音が全くない。耳に入るのは山の音だけである。
今日は一日、漕がず、フネの中であぐらをかいて流されるままに下った。
黒尊川の流れこみで上陸。早々にテントを張る」
『川にかかった橋を渡って対岸の部落の小さな食堂に入った。
「アイスクリン50円」と張紙のある戸を開けて入ると、一人の酔漢が抱きついて来た。
良く来た、と僕の手をしっかり握る。酔っぱらうとやたらと人恋しくなる人らしい。
いっかな手を離さないので、片手でウドンを食っていると、奥さんが迎えに来た。
酒が入るととても楽しくなる人で、それはいいのだが、この間は部落の葬式で失敗した。
初めはシンミリ飲んでいたのだが、酒が回るにつれて幸福になり、つい酔った時の口癖がでた。
彼はいったのである。「今日は実にユカイである。こんなに楽しいことはない」
おまけに「ヨサコイ、ヨサコイ」と踊ってしまった。「ヨサコイ」とは今夜飲みに来い、という意味だ』。
『四万十川の美しさは日本随一であろう。
水質、魚の多さ、川をとりまく自然、川から見た眺めの美しさ、いずれも日本の川では最高だ。
日本人が汚し始める前の自然が、川がどんなものであったか知りたければ、四万十川を見に来るといい。
部落の人はいう。「山や川が好きな人にゃここは天国じゃ」
しかし、天国には若者は住めないのだろう。
彼等をより強く惹きつけるのは美しい自然より、ゴミゴミした都会の汚濁の巷だ』
「日本の川を旅する」四万十川編より 野田知佑著 1985年発行
沢山の本 読みました