あるBOX(改)

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思い出の好試合:篠崎哲也vs三船元

2002年01月22日 | ボクシング
篠崎哲也vs三船元 

1997年2月10日 後楽園ホール

松倉義明メイン試合のセミファイナルとして行われた10回戦。
これもセミファイナルの好ファイト。

三船14戦13勝(9KO)1敗、篠崎16戦9勝(5KO)4敗。
ウェートは両者57。1kg。
好調の草加有沢ホープ三船、いよいよ日本タイトルに標的を
合わせる時期を迎えたと思われたが、篠崎は予想以上の実力者だった。

前年度のA級トーナメントで萩原篤に敗れた篠崎、すでにオッサンの
雰囲気を醸し出している。
どうしても上位の壁を越えられない、そんな地方選手に見えた。
右が強いが単発。どこかしら淡白な印象が拭えない。

しかし、
この日は同じ体重・ランクはフェザー級とは言え、Jライトでの試合
経験ある篠崎の身体は三船に比べ大きく、単発のパンチが有効打として
三船に蓄積していった。

前半こそ、いつもの精力的な攻勢でリードした三船だったが、
5Rあたりで ややスローダウン。
意外と堅いガードでダメージを防いでいた篠崎、インサイドからの
ストレートが打ち込み効果的。基本の攻めが有効だ。

6、7Rも篠崎。右アッパーも交えて好調。
不可抗力のバッティングでも三船の方が効いている。エネルギー使っても、
単発の相手にリードされる。三船にとっては嫌な展開になった。

そしてダメージが溜まった三船が、ついに9Rに捕まる。
右ストレートで効いた三船に篠崎連打!スタンディングカウントの後、
完全に動きの止った相手を狙い打ちする篠崎

右のストレート・アッパー、左フックで三船が前のめりに崩れ落ち、
レフェリーが即座に試合を止めた。

番狂わせと言えただろう。
三船は その後大きなブランクを作った。
一方、ホープの座を取って代わったかと思われた(?)篠崎だったが、
帝拳の木村鋭景に判定で敗れ中堅選手に逆戻り。

だが苦戦の中で地力を蓄えた篠崎は、
いつの間にか しぶといボクサーへと自己を醸成、コウジと接戦を演じ、
ラクバ・シンと10R戦い抜くタフガイ振りでマニアに一目置かれる存在に
なった事は皆の知るトコロ。

そんな篠崎の、キャリア中 最も晴れやかなKO勝利だった。