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納谷悟朗さん逝去

2013年03月14日 | アニメ・特撮
とうとう納谷悟朗さんまで逝かれてしまいましたか・・・。
でも、年齢が83才と聞くと、仕方がないのかなぁ・・・と思います。

典型的な俳優出発型・声優さんでしたな。
ナレーター、演出家の顔も持ち、事務所はテアトル・エコー。

アニメ、ゲーム、洋画吹き替え、ナレーションから、声を当てる仕事は何でも(?)コナした印象あり。



代表作に『ルパン三世』シリーズの銭形警部役があるが、キャリアはもっと古い。
洋画ではクラーク・ゲーブル、チャールトン・ヘストン、ジョン・ウェイン、ジャック・バランスの声の吹き替えを担当している。
モンティ・パイソンのジョン・クリーズ役として、知る人ぞ知る存在だ。

背の高い紳士然とし、納谷さんの声で喋る厳格そうなクリーズが
思いっきり馬鹿な言動を繰り返す姿は笑えて仕方なかったものです。




舞台出身者らしく、舞台経験のない多くの若手声優に対しては、「舞台経験をしたほうがいい」とアドバイスするなど、私の好きなタイプの声優さんだった。
(もっとも、ご本人は「声優」と呼ばれることを嫌っていたらしいが・・・)

ダミ声一辺倒かと思いきや、洋画吹き替えではスマートな声も披露。

チャールトン・ヘストンのようなオトコっぽい役もコナした。
ヘストン本人とは対面し「公認の」声優と言われるようになった。
※名シーンとしては「猿の惑星」でのラストシーンが浮かぶなぁ。
  あれは凄い「声の演技」だったよなぁ・・・。



Wikiによると
『ルパン三世 PartIII』放送中の1985年3月に胃潰瘍で入院し、胃腸を半分切除。
1990年代から喉の調子が悪くなり、その他の疾患もあって体力的にも衰え、
2000年代後半以降は『ルパン三世』の銭形警部役など持ち役出演のみとなった・・・とのこと。

それでも舞台出演は続けたそうな。

納谷さんのキャリアを振り返ると
その出演作は数えきれないほど。

テレビアニメは、なんと1963年の「鉄腕アトム」 (アニメ第1作)に出演されている。
TVアニメ最初からじゃないですか!!!
1964年は「ビッグX」(これも手塚アニメ)
1965年には「宇宙少年ソラン(立花博士)」
1966年には「遊星仮面」(ホイヘンス、ナレーター)
1967年には「黄金バット」(ゲム)、「キングコング・アニメ版」(ボンド教授)、「リボンの騎士」(ナイロン卿)
1968年には「サスケ」(服部半蔵)、「佐武と市捕物控」(政五郎 他)
1969年には「海底少年マリン」(マリーナ博士)、「どろろ」(醍醐景光)
1970年には「赤き血のイレブン」(ナレーター)、「のらくろ」(モール)
1971年には「原始少年リュウ」(キバ)、「ふしぎなメルモ」(大使、デーモン)、
「ルパン三世 (TV第1シリーズ)」(銭形警部)
1972年には「正義を愛する者 月光仮面」(ドラゴンの牙)
1973年には「空手バカ一代」(辰、竹林5段 他)、「新造人間キャシャーン」(ナレーター)
1974年には「宇宙戦艦ヤマト」(沖田十三艦長)
1976年には「超電磁ロボ コン・バトラーV」(南原猛博士)
1977年には「野球狂の詩」(岩田鉄五郎〈3代目〉)、「ルパン三世 (TV第2シリーズ)」(銭形警部)
1978年には「宇宙戦艦ヤマト2」(沖田十三艦長)、「宇宙魔神ダイケンゴー」(ブライマン、ナレーター)、
「新・エースをねらえ!」(竜崎会長)
1979年には「ゼンダマン」(予言者モア)
1980年には「宇宙戦艦ヤマトIII(沖田十三、ナレーター)
ニルスのふしぎな旅(カール)
1981年には「鉄腕アトム (アニメ第2作)」(ドブロフ博士)、「六神合体ゴッドマーズ」(ズール皇帝)
1982年には「太陽の子エステバン」(ゴメス)
1984年には「ルパン三世 PartIII」(銭形警部)
2010年まで銭形警部を続け「ルパン三世 the Last Job」に出演

1980年代後半からは多くのOVAにも出演
「超人ロック ロードレオン」(グレート・ジョーグ・ロト)
「ダーティペア 謀略の005便」(ディック)
「マジンカイザー」(兜十蔵)
「ONE PIECE FILM STRONG WORLD EPISODE:0」(クロッカス)
2012年には「ルパン三世 Master File」で銭形警部を演じられた。

劇場アニメとしては
これまた初期から出演されてます!!
1969年「空飛ぶゆうれい船」(船長)
1970年「海底3万マイル」(地底王マグマ7世)
1971年「アリババと40匹の盗賊」(ゴロ)
1977年「宇宙戦艦ヤマト」(沖田十三)
1978年「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(沖田十三)、「ルパン三世 ベネチア超特急」(銭形警部)、
「ルパン三世 ルパンVS複製人間」(銭形警部)
1979年「銀河鉄道999(劇場版)」(ドクター・バン)
「野球狂の詩」(岩田鉄五郎)
「ルパン三世 カリオストロの城」(銭形警部)
1983年「宇宙戦艦ヤマト 完結編」(沖田十三)、「クラッシャージョウ」(コワルスキー)
1984年「風の谷のナウシカ」(ユパ)
1985年「銀河鉄道の夜」(カムパネルラの父)
「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」(銭形警部)

特撮モノにも多数の出演あり。



ウルトラマンA(ウルトラマンエースの声)
SFドラマ 猿の軍団(ユーコムの声)
仮面ライダー(ショッカー首領・ゲルショッカー首領の声)
仮面ライダーV3(デストロン首領の声)
仮面ライダーストロンガー(ブラックサタン大首領の声、デルザー軍団大首領(岩石大首領)の声)
新・仮面ライダー(ネオショッカー大首領の声)
仮面ライダーBLACK RX(クライシス皇帝の声)
ゴジラ対メガロ(アントニオ司令の声)
ザ・カゲスター(ドクター・サタンの声)
ジャンボーグA(エメラルド星人の声)
超神ビビューン(ガルバーの声、バックベアードの声)
フランケンシュタイン対地底怪獣(ボーエン博士(演:ニック・アダムス)の声)
変身忍者 嵐(血車魔神斎の声)
ミラーマン(第8・34・50・51話のインベーダーの声)

ナレーション
これは御本人がナレーションが好きだったからとのこと。

サインはV(1969年)
アテンションプリーズ(1970年)
コートにかける青春(1971年)
愛の戦士レインボーマン(1972年)
赤い靴(1972年)
新サインはV(1973年)
仮面ライダーアマゾン(1974年)
少林寺拳法(1975年)
新五捕物帳(1977年)
スターウルフ(1978年)

海外ドラマ
コンバット!(1962年)ギル・ヘンリー少尉 演:リック・ジェイソン
サンダーバード(1966年)フランク・フーパー所長
0011ナポレオン・ソロ(1966年)Panat王子(第30話)
スタートレック/宇宙大作戦(1967年)光るめだま 演:ゲーリー・ロックウッド
スパイ大作戦(1967年)パリス
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン(1973年)怪盗紳士ルパン 演:ジョルジュ・デクリエール
空飛ぶモンティ・パイソン(1976年)ジョン・クリーズ
刑事物語(1976年)ヘンリー・フォンダ
刑事コロンボ 策謀の結末(1978年、NHK版)
冒険野郎マクガイバー(1985年)
名探偵ポワロ ダベンハイム失そう事件(1991年、NHK版)
ターザンの大冒険(2000年)
ローハイド(2006年、NHK版)

海外アニメ
バットマン(ゴウ先生〈初代〉)
ビアンカの大冒険(会長)
ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!(会長)
ポカホンタス(ケカタ)

ラジオ
ラジオドラマ版『マカロニほうれん荘』(1978年:TBSラジオ)ススキ小次郎

ドラマCD
集英社CDブックジョジョの奇妙な冒険(ジョセフ・ジョースター)(2巻のみ)

俳優業(映画)
雨ニモマケズ(1958年)
ノストラダムスの大予言(1974年) - TVニュースキャスター・太田一雄

・・・・すごい!
すごすぎる!

日本のアニメ黎明期から声アテを担当されている。
「ヤマト」沖田艦長役とかも印象深いよなぁ・・・。



映画でも「ノストラダムスの大予言」に出演なさってるのな。
核戦争後の人類を放射能の影響で醜く描き、その結果ビデオ化など不可能な「消えた作品」となったワケだが
※私は当時、映画館で見ました。「エクソシスト」とどっちにするか悩んで、「あっちは怖いから」とヤメたが
こっちもトラウマになる映画でありました・・・。
冨田勲さんが作曲したテーマソングはスケール大きな名曲だし、納谷さんが役者さんで出てるのなら
ますます再度の鑑賞を遂げたいなぁ・・・。

そんな興味まで抱かせてくれる納谷悟朗さん。
声の仕事をなさる人としては最も偉大な部類に入る人物でしょう。

亡くなったのは3月5日の午前3時、千葉市内の自宅にて。死因は慢性呼吸不全との事。
寂しいですが仕方ありません。納谷さん、これまで有難うございました。

納谷悟朗さんの御冥福を心より御祈り致します。