何度か、このブログにも記事を書かせて頂いていたイタリアン「オステリアヨシエ」さん。
お店のSNSをご覧頂ければ、店内の雰囲気なども分かりますよ。
出会いは、札幌二条市場「のれん横丁」にお店を出されていた頃。
その後、北海道神宮の頓宮近くに移転なされ、数年経った昨年。
ついにその「オステリアヨシエ」の吉江シェフが、ご自身の集大成とも言えるお店を新たにオープンなさったと。
こんなコロナ禍において、移転オープンなさると言うのも、素人目にも凄いお話なのではないかと思うのですが…
その新しいお店はカウンター六席のみ。
あらゆる覚悟と意気込みを、それだけで感じてしまうのでした。
そして。
そのオープンから暫くした昨年末。
遂に意を決して予約を。
移転オープン後、ひとっとおり常連さんが一巡したであろうタイミングを待ってました。
私は所詮、チン◯ラの部類の客なので(笑)。
で、当日、お店に向かった訳ですが…。
実は、吉江シェフをご存知の同業者の方々数名と、「新しいお店がどこにあるのか、よく分からない」と言うお話をしてまして。
ネットで調べても、住所は出るけど果たして何処なのかが、いまいち判然としない。
なので、その方々と色々憶測が。
でも、看板、ありました。
控えめな看板です。
既に「隠れ家」感と、その先に上質な時間が待ち受けてるであろう期待感を醸し出しております。
もはや、和食屋さんの入り口です。
入ると、とても開放的な空間が。
カウンター六席とは言え、テーブルを入れればその数倍の席は確保できるような広さ。
入り口正面の奥側には大きな窓。昼間はお庭も眺める事ができるそう。
入り口の右手側には、ワインや生ハムの貯蔵スペースが。ガラス越しに、厳選された品々が見えます。
そして左手側のカウンターに座ると、目の前には、これまた広々としたオープンキッチン。
シェフの一挙一動、全てが目の当たりに。
徐に、白木のガラスケースに入れられた素材を見せてくださいます。高級なお寿司屋さんのようなプレゼンテーションです。
中にはこれから料理される食材が。ここで苦手だったり、アレルギーのある食材が無いかの確認も。もちろん、自分は皆無ですが。
さらに、ナイフが10本近く並べられたプレートが差し出されます。形や柄の素材がそれぞれ違う中から、今日、自分が使うナイフを選ぶ訳です。
その夜の「相棒」選び。
これは初めて体験する趣向です。
慣れない演出に、この時点で自分はかなり舞い上がってます(笑)。
そして、いよいよ一品目。
マッシュルームのスープが、お茶碗で出てきました。なんとも滋味深い。これからお料理をいただく上で、胃袋を優しくアイドリングしてくれます。
生の牡蠣にジュレが。柚子の香りが爽やか。
鯖にシャインマスカット。山葵も添えられてます。これがものすごく、合う。シャインマスカットの果汁の風味と甘さが、絶妙に鯖を引き立てる。
果物を華麗に操る、吉江シェフならではの一皿。
たちの一分スモーク。冬の味覚です。ここまで来ると…
堪らず、日本酒を。
以前のお店には日本酒は無かったのですが、確かに毎回「このお料理は日本酒に合うな」と、「イタリアン」なのに感じることも多く。
ついに、その組み合わせを有り難く堪能しました。
畳みかけるように、これまた日本酒が進みそうなお料理が。
畳みかけるように、これまた日本酒が進みそうなお料理が。
アンコウの肝と、メロウゴールドというグレープフルーツ。
これまた、グレープフルーツの酸味が不思議とあん肝と合う。
想像以上、というか想像も付かないようなお料理が次々と。
シャコの炙り。菊芋のペーストが添えられています。何とも味わい深い。菊芋の滑らかな食感と風味が、シャコとも合います。
ホッキ貝のお米のサラダ。ウニも載ってます。
つまりは…「イタリアン生チラシ寿司」ですね。
以前のお店の時、テイクアウトで買わせていただいたお料理の中にもあったのですが、ものの見事に「イタリアンで寿司を作るとこうなりますよね」と言う、納得の味。
きっと酸味はアレで、味付けにはアレも使ってるのかな…と、想像しながら食べてました。
シェフのアイデアが詰まった一皿です。
箸休め的に。
「むかご」の天ぷら。山芋の子どもですね。サクサクで、噛み締めると確かに山芋の粘りが。
ここで「串揚げ」が出るとは思いも寄りませんでした。楽しい。
万願寺とうがらしのフリットに生ハム。
これまたお見事としか。
果物にも近い、鮮烈な甘さと瑞々しさ、仄かな苦味。
コレが生ハムと合う。
この生ハム自体も、多分、凄いヤツです。
詳しくないんで、何が凄いのかと問い詰められても困るのですが(笑)、食べたら只者では無いのが分かる生ハムでした。
牛肉のビステッカ。
山わさびと牛肉は本当に合います。噛み応えが嬉しい、赤身と脂身のバランスが丁度良いお肉です。噛む度に旨みが溢れる。
ここでは流石に赤ワインを。
「パスタは生パスタと乾麺があるんですが、ペペロンチーノにするならやっぱり、乾麺ですね。」
「では、乾麺で。」
「大盛り?」
「はい。」
自分の好みを知っていただけてる幸せ。
デザートはイタリアンプリン。
硬めの食感と、カラメルの苦味が丁度いい。
とろりとしたプリンも美味しいですけどね。
プリンはやっぱり硬めが好きです。
甘さも程よい。
最後は、栗きんとんにエスプレッソ。
最後まで、その組み合わせの絶妙さに感服。
舌の上でじっくりと、栗きんとんの自然な甘さを堪能しつつ、エスプレッソで流し込む。
大人の締めですね。
このブログのカテゴリー上は「イタリアン」に含めて掲載しますが、ご覧いただいた通り、「イタリアンがベースの吉江シェフのお料理」と言う、カテゴライズできないような品々ですね。
これは本当に、楽しい。
「テレビの『料理の鉄人』みたいでしょ」と、シェフ自ら仰ってましたが、まさに目の前で華麗に、時に豪快に料理を作るそのシェフのお姿には惚れ惚れしてしまいます。
オープンキッチンならではの醍醐味。
料理も含めて、この空間で過ごす時間と体験全てがご馳走。
そう思える贅沢な夜でした。
次は…恒例の「一人誕生日」(笑)をここでやりたいですね。
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