1940年6月、ベルリンに暮らす夫婦オットーとアンナのもとに
最愛の一人息子が戦死したという封書が届き、
「あなたと戦争と総統のせいよ」アンナが叫び、
夫婦の間に微妙な空気が流れていきます。
ある日、オットーはポストカードに
「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」
怒りのメッセージを記し、街に置いていったのです。
見つかれば死刑を言い渡せされる行為でしたが、
妻も加担し、街中に置かれていきました。
ペンと葉書を武器にヒトラー政権に挑んだ
労働者階級の夫婦の驚くべき実話を基に、
世界的ベストセラーとなった小説の映画化です。
285枚の葉書のうちのほとんどは、ゲシュタポの警部の手に。
ゲシュタポの捜査の手は、次第にそして着実に
2人に迫りつつあるというサスペンス。
オットーを演じるのは、ブレンダン・グリーソン。
アンナにはエマ・トンプソンと演技派の二人が魅せる
夫婦の愛と絆にも涙が落ちてきます。
戦争の映画は数々鑑賞してもうたくさんと思っているのですが、
しみじみと夫婦の在り方や予期せぬ方向へ
社会が動いてしまった時の在り方までも
考えさせられました。
監督:ヴァンサン・ペレーズ
出演:エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン
ダニエル・ブリュール
2016年/ドイツ・フランス・イギリス/103分
ヒューマントラストシネマ有楽町
2017.7.16