「エリザベート」「モーツアルト!」など数々の
傑作ミュージカルを生み出した作詞作曲コンビが音楽を担当、
日本で初演されたミュージカル「マリー・アントワネット」が
世界各地での上演を経て、装いも新たに日本再上陸。
王妃マリー・アントワネットと庶民の娘マルグリット・アルノー、
二人の運命がフランス革命の嵐の中で交錯する物語をベースに
マリーとフェルセンの悲恋もロマンティックに描かれ、
民衆たちのドラマも展開します。
1785年の王妃をめぐる、無実の詐欺事件「首飾り事件」が
重要なエピソードとなっていて、
民衆から反感を買ってしまうことになる部分など
マリー・アントワネットの人物像を
多角的な面から表現されています。
贅沢、浪費家、不貞、わがままなどと言われ、
2006年の映画「マリー・アントワネット」で更に
良いイメージを持てなくなったマリー・アントワネット。
誰も知る人のいない言葉も完璧には話せない異国に
政略結婚のためにわずか14歳で嫁がなければならかった少女。
あまりにも幼過ぎ、世間を知らなすぎて、
利用はされても親身になってくれる人は少なく、
孤独であったに違いありません。
母親として子どもたちに愛情を注いだり、
裁判での毅然とした態度は、さすがマリア・テレジアの娘。
父フランツ1世の血も色濃く引き継いでいるとも、
歴史ドラマとしても見応えがありました。
絢爛豪華な衣装に豪華キャスト、音楽も歌も演出も素晴らしく、
特にソニンさんの熱演には魅了されました。
こういうミュージカルが観たかったと改めて思います。
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脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ロバート・ヨハンソン
出演:マリー・アントワネット/笹本玲奈、
マルグリット・アルノー/ソニン、フェルセン伯爵/古川雄大
オルレアン公/吉原光夫、ルイ16世/佐藤隆紀
帝国劇場
2018.11.9