「『江戸風俗人形の世界』~建物・人形・小物の三位一体の妙~」
台東区立下町風俗資料館所蔵の「江戸風俗人形」が、
5年ぶりの展示となった特別展も終わろうとしていました。
(2019.12.7~2020.2.24)
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時代小説にハマル私としては、浮世絵から抜け出たような
かつて日本有数の歓楽街として隆盛を極めた、
江戸の文化の一つである華やかな吉原の妓楼「三浦屋」を
精巧に再現した人形の世界を見ておきたかったのです。
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格式の高い妓楼で遊ぶときは、まず揚屋を通しますが、
花魁は豪華な衣裳を身にまとい、禿や振袖新造など
多くの供を連れて、揚屋で待っているお客を迎えに行きます。
これを花魁道中と呼ぶのですが、花魁を揚げるには
莫大な資金が必要、大名や豪商でなければできないことです。
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花魁候補の女性は幼少の頃から禿として
徹底的に古典や書道、茶道、和歌、箏、三味線、
囲碁などの教養、芸事を仕込まれていました。
各部屋を覗いてみるとそれが表現されています。
檜細工師・三浦宏氏による建物、人形師・辻村寿三郎氏の人形、
江戸小物細工師・服部一郎氏による小道具によって繰り広げられる
制作されてから30年以上経っているとは思えないほど、
見るものを圧倒させる優美な作品でした。
各部屋の四季折々の情景、内所、全面格子の張見世、
風呂場、細部までこだわり、精巧で華麗です。
貴重な『吉原細見』も展示され、時代小説を読んだり、
歌舞伎や浮世絵などを鑑賞する際の理解も深まりそうです。
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区内の銭湯で実際に使われていた番台。
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玩具コーナーでは、手にとって遊べます。
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江戸の風情をとどめる大正時代の東京・下町の
街並みを再現しているのが1階展示室です。
長屋の中の小さな一間ですが、
様々な調度品や生活道具があります。
これらは実際に使用され、大切にされてきたものです。
下町の風景、風俗、遊び、娯楽、歳時・・・
上野を訪れた際には、立ち寄ってみてください。
東京都台東区上野公園2-1
2020.2.23