'07/07/20の朝刊記事から
村上被告に実刑判決 不公正取引 解釈厳しく
宮内証言決め手に
ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、証券取引法違反罪に問われた村上ファンド前代表村上世彰(よしあき)被告(47)に19日、東京地裁は「証券市場の信頼を著しく損ない、反省は皆無」などとして、懲役2年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円の実刑判決を言い渡した。
証券市場の犯罪が相次ぎ、厳罰化を求める風潮も強まる中、司法が公正さを強く求めた形だ。
ライブドア(LD)の堀江貴文前社長(34)らから同放送株大量取得の方針を聞き、株を買い増したとして証券取引法違反罪に問われた村上被告。
LDが大量取得を決定、被告に伝えたのか。
公判では、インサイダー情報の解釈自体が焦点となった。
「会議後に資金は借り入れでやろうと提案し、堀江前社長から『すぐに動け』と指示された」
昨年11月30日、東京地裁での村上被告の初公判。
証人尋問で宮内亮治元LD取締役(39)が、堀江前社長とのやりとりを詳細に証言した。
2004年9月の会議で村上被告から同放送株大量取得を勧められたLDが、即座に実行に向けて動き出したという検察側主張に沿う内容。
同年11月の会議で株取得のインサイダー情報を明確に示したという核心部分の立証でも「宮内証言」は柱となった。
これに対し、弁護側反証の切り札的存在は堀江前社長。
今年3月の証人尋問では「プロ野球参入や決算の対応に集中していた時期。取得は決まっていなかった。9月と11月の会議は記憶にない」と真っ向から否定した。
自身が実刑判決を受けたLDの粉飾決算事件の公判に続いて、トップとナンバー2との“因縁の対決”が、再び展開された。