Kodak DC4800
'07/07/24の朝刊記事から
中国から有害物質入り練り歯磨き
日本も安全検査不十分
有害物資ジエチレングリコールが検出され、各国で回収が相次いだ中国産(製)練り歯磨き。
日本が輸入した過程を見ると、中国側の安全基準の未整備や製造業者の問題意識の低さとともに、日本側でも十分な安全検査が行われていない実態が浮かび上がる。
中国製品は世界中にあふれており、日本の監視体制整備が急がれている。
日本企業も数多く進出している上海郊外の工業団地の一角に、日本でジエチレングリコールが検出され、回収された歯磨きを生産した工場がある。
上海では比較的大手で、自社ブランドでも多くの歯磨きを販売。
入り口付近には、品質管理が国際規格を満たすことを示す「ISO9001」の表示が誇らしげに掲げられていた。
この工場の製品を日本に輸出し、ホテルや旅館に販売していたのはJTB商事。
同社は輸入に際し「製造業者との間に別の貿易業者が仲介していた」と説明する。
製品の成分内容について販売前に直接確かめるのは難しかったようだ。
ジエチレングリコールは体内に大量に入ると下痢や嘔吐が続き、腎不全で死亡する恐れ(虞)があるが、甘味があるため、ワインなどに使われたケースも。
海外での批判を受け、中国では最近になり歯磨きの原料としての使用は禁止となった。
混入の原因について、JTB商事は、「原価を抑えるため、別の物質の代わりに意図的に使った疑いがある」とみている。
ただ、中国から輸出される歯磨きには江蘇省などの零細業者の製品も多い。
中国メディアによると、同省には歯磨き工場が千以上も集中している地域があるという。
こうした地域では、原料の入手が容易で事業を始めやすいが、安全基準がどこまで守られているかは心もとない。