’08/01/09の朝刊記事から
乗船監督官のシャワー設備要望
マダラ漁出漁 ロシア「待った」
【根室】ロシア200カイリ内のマダラ底はえ縄漁で、ロシア当局が根室の漁船に対し、乗船して漁獲管理に当たるロシア人監督官が使うシャワーやベッドの整備を求め、今年の初出漁がずれ込んでいる。日本側が早急な整備を約束したため中型船は出漁が認められ、8日に根室・花咲港から漁場へ向かった。一方、小型船は整備に着手したが、費用が1隻数10万円かかる上にロシア側の点検も必要で、出漁は今月中旬以降にずれ込みそうだ。
根室 未整備の小型船に痛手
同漁は昨年12月14日に妥結した日ロ地先沖合漁業交渉に基づき、北千島や北方4島周辺水域で、根室の200トン未満の中型船6隻と30トン未満の小型船14隻が4日の出漁を予定していた。しかし、ロシア側が昨年末、シャワーやロシア人監督官の体格に対応した大きなベッドを整備しなければ、出漁を認めない意向を通達してきた。
これらの施設は中型船には整っているが、船内が狭い小型船の多くは未整備。ロシア側は以前から整備を求め、日本側も応じる意向だったが、徹底されていなかった。
関係者によると、今年から、ロシア人監督官の派遣窓口が国境警備局国家海洋監督局から上部官庁の国境警備局に移り、要求が厳しくなっているという。根室の漁業関係者は「この時期は高い魚価が見込めるだけに、出漁遅れは痛い」と話している。