’08/02/02の朝刊記事から
ギョーザから検出の殺虫剤
中国で死亡相次ぐ
【北京1日高山昌行】中国製冷凍ギョーザによる中毒で検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が原因とみられる中毒が中国で近年相次ぎ、江蘇省太倉市では2002年までの5年間に210人が死亡していたことが分かった。一方、今回の事件を伝える報道は少なく、中国国民は「情報過疎」に陥っている。
江蘇省、5年で210人
太倉市の中毒は、中国の総合医学雑誌「中華中西医雑誌」(03年8月号)の論文に掲載され、医学専門ウェブサイト「中華首席医学網」が1日までに伝えた。
論文によると、19997年から02年にかけて太倉市でメタミドホスによる中毒が654件発生し、同市内の同期間中の農薬中毒の約82%を占めた。
メタミドホスが原因とみられる中毒は、今年も相次いで発生。中国メディアによると、浙江省で1月27日、鍋料理を食べた6人が腹痛や嘔吐などを訴えて病院に運ばれ、有機リン系農薬による中毒と診断された。鍋に入っていた白菜は、患者が自分の畑で栽培したもので、昨年夏にメタミドホスを使用していた。
同11日には、広東省でスープ料理を食べた農家の4人が中毒症状を起こし、うち2人が重症となった。スープの中に入った木の実に、メタミドホスが噴霧されていたという。
中国農業省などは昨年1月以降、メタミドホスの中国国内での使用、販売を全面的に禁止する通達を出しているが、いまも徹底されていないようだ。