’08/02/07の朝刊記事から
ギョーザ中毒 故意犯の可能性も
中国側言及 工場従業員を捜査
【北京6日佐々木学】中国製ギョーザによる中毒事件で、輸出食品の安全性を担当する中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副局長は6日、訪中した日本政府調査団との会談で「中日友好の発展を望まない少数の極端分子(過激派)がやったのかもしれない」と述べ、政治的意図を持つ故意犯の可能性に初めて言及した。
魏副局長の発言は日中どちらの過激派を指すのかは不明。これに関連し、同総局の王大寧・輸出入食品安全局長は会談後、記者団に対して「中日双方で可能性がある」と説明した。しかし中国側は具体的根拠を示さなかった。
同調査団によると、中国河北省公安局が製造元の天洋食品から人事管理簿などを押収、問題のギョーザの製造日に出勤した従業員を捜査しているという。
日本政府調査団団長の原嶋耐治・内閣府消費者企画課長は中国側との会談で「原因はまだ究明されていない。調査を継続し、場合によっては工場の再調査も検討したい」との意向を表明した。
一方、日本で回収されたギョーザから新たに有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出されたことについて、中国側は「同じ製造日(昨年6月3日)のサンプルを検査した結果、ジクロルボスは検出されなかった」と述べた。
現地工場を調査した日本政府調査団は6日、石家荘市で河北省公安局と会談した後、北京に戻り、国家品質監督検査検疫総局を訪れた。7日に帰国し、中国側から提供された資料の分析などを進める。