備 忘 録"

 何年か前の新聞記事 070110 など

140811 北方領土問題の展望は

2014-08-11 22:17:07 | ロシア
Scan-120724-0019

’08/05/08の朝刊記事から

北方領土問題の展望は
日本側から新提案を


ロシア極東研究所日本研究センター ビクトル・パブリャチェンコ所長


福田康夫首相は先のロシア訪問で7月の北海道洞爺湖サミットでのロシアの協力を取り付けた。
だが、日本が北方領土問題と呼ぶ国境問題では互いの立場を表明しあっただけで成果はなかった。


Scan-120724-0020

この状況は、少なくとも2005年のプーチン前大統領訪日時から変わっていない。
日ロ関係を高い次元に引き上げるというが、「高い次元」の意味も明らかではない。
両国の関係は既に高い水準にある。
双方に受け入れ可能な解決策を検討する際の「諸合意及び諸文書に基づき」という表現にも注意が必要だ。
ロシア側の考えでは、四島すべての帰属確認方針を明記した1993年の東京宣言は含まれない。
同宣言は両国の議会で批准されたものではないからだ。


Scan-120725-0002

プーチン氏は歯舞、色丹二島の引き渡し方針を定めた56年の日ソ共同宣言による解決を提案した。約束を守る力も気持ちもなかったエリツィン氏とは違って、プーチン氏は大統領として大きな責任を負う用意があったが、日本は拒否した。

Scan-120725-0005

種々の状況から推察すると、プーチン氏は当初は歯舞、色丹両島の引き渡しと国後、択捉両島の帰属問題を並行して交渉する並行協議にも同意していたのではないか。
それが日本で明るみに出たことに不信感を抱き、二島引き渡しの線で譲らなくなったのだと思う。


Scan-120725-0025

プーチン路線を継承するメドベージェフ大統領が、日ロ関係で新たな方向を打ち出すことは今後2年はないだろうし、その必要もない。
日ロ関係は現在、良いペースで進展しているのだから。


Scan-120725-0028

日本が問題を打開したいなら、日本側からの新提案が必要だ。
100%を求めて何も得られない状態を続けるのか、50%でも得た方がよいとするのか。
これまでと同じ主張の繰り返しでは、時代遅れの感が否めない。


メドベージェフ新政権下での北方領土問題の展望について、ロシア極東研究所日本研究センターのビクトル・パブリャチェンコ所長に聞いた。(モスクワ・加藤雅毅)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする