’08/05/24の朝刊記事から
ミャンマー軍政 人的支援受け入れ
国連総長が説得、転換
【シンガポール23日斎藤正明】国連の潘基文事務総長は23日、ミャンマーの首都ネピドーで、サイクロン被災の支援について軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長と会談した。
事務総長は会談後、記者団に対し、「議長は国籍に関係なく、すべての援助要員の受け入れに同意した」と述べた。
これまで海外からの人的支援の受け入れを制限してきた軍政にとって、方針の大きな転換となるが、実際にどこまで協調姿勢を見せるかは不透明だ。
最大都市ヤンゴンに移動後、記者会見した潘事務総長は「履行が今後の鍵になる」と述べ、軍政の動向を見きわめる考えを示した。
事務総長に同行した国連当局者によると、議長は、「人道支援の関係者で何を行うかはっきりしていること」を受け入れの前提条件として挙げた。
軍政は、人的支援受け入れについて、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国、インドなど友好国に限っていた。
タン・シュエ議長は、支援受け入れの説得を試みる潘事務総長との電話会談も断り続けてきた。
25日にヤンゴンで開催される国際支援会議では、復興資金について協議される見通し。
この会議を前に、柔軟な姿勢を国際社会に印象づける狙いが軍政側にあるとみられる。
医療チーム 政府派遣へ
政府は23日、ミャンマー軍事政権がサイクロン被災で海外からの援助要員受け入れに同意したのを受け、国際緊急援助隊医療チームなどを派遣する検討に入った。
ミャンマーから正式要請があった場合に早急に医師、看護師を送れるよう国際協力機構(JICA)など関係機関と調整を進める。
また日本は既にヤンゴン港の沈没船引き揚げなどの復旧のため、専門家3人を25日から現地入りさせることを決めている。