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'07/04/07の朝刊記事から
国連温暖化報告書 渇水被害 さらに数億人
生物 3割が絶滅危機
【ブリュッセル6日時事】国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第二作業部会は6日、地球温暖化が世界に与える影響を予測した報告書を採択した。
氷河の融解や海岸浸食などの変化がすでに表れており、水不足の被害を受ける人口が今後、数億人増加すると指摘。
1.5-2.5度超の気温上昇で、最大3割の生物種が絶滅の危機にさらされ、経済や社会に大きな影響を及ぼすとしている。
IPCCのパチャウリ議長は記者会見で、「特に貧しい人々が被害を受ける」と説明、対策の必要性を訴えた。
報告書は、農作物の生産量は気温の低い高緯度地域で増加する一方、低緯度地域では、気温上昇に適応できない作物が増えて、飢餓の危険性が増大すると予測した。
3度を超える気温上昇では、世界全体の作物生産量が減少に転じるとしている。
また、今世紀中に森林などによる二酸化炭素(CO2)の吸収力が落ちて、温暖化が加速する可能性が高いと指摘。
CO2よりも約20倍も温室効果の大きいメタンが、永久凍土の融解でより大量に大気中に放出される兆候があると分析した。
IPCC
国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)が1988年に共同で設立した、地球温暖化問題に関する専門組織。
第1作業部会が温暖化の科学的根拠を、第2部会が温暖化の影響を、第3部会が対策を議論し、それぞれ報告にまとめる。
今年11月に開く総会で全体報告(統合報告書)を採択する予定。