’08/07/07の朝刊記事から
台湾の”旗”描いた歓迎看板
中国の指摘受け撤去 そうべつ観光協会
【壮瞥】胆振管内壮瞥町の道道脇に設置された北海道洞爺湖サミット歓迎看板に、中国やサミット参加国などとともに、台湾の「青天白日満地紅旗」が描かれ、中国政府関係者が日本政府に不快感を表明していたことが6日、分かった。
看板を設置した同町のそうべつ観光協会は6日、看板を撤去した。
看板は、サミットで洞爺湖地方を訪れる関係者を歓迎するため洞爺湖畔の南側を通る壮瞥町壮瞥温泉の道道沿いに、7月初めに設置。
「G8サミット歓迎」というメッセージの下に、G8各国と中国、台湾、韓国の旗を描いた。
中国の胡錦濤国家主席は、9日のサミット拡大会合に出席するため7日道内入りする予定。
これに先立ち、中国政府関係者が6日、洞爺湖周辺を訪れ、中国の旗と台湾の旗を並べて描いた看板を発見した。
外務省は、中国政府の指摘を受け、道を通じて壮瞥町に事実を確認。
同協会は「この地域の外国人観光客で一番多いのは台湾人で、感謝の意を込めた。政治的意図はなく自主撤去した」と釈明している。
Kodak DC4800
’08/07/06の朝刊記事から
西松建設「タイ政府に4億円」
元幹部 工事受注で贈賄と説明
海外から無届けで約1億円を持ち込んだとして、外為法違反容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けた準大手ゼネコン西松建設(東京)の元幹部が、特捜部に「トンネル工事受注で便宜を図ってもらう見返りに、会社がタイ政府当局者に総額4億円以上の賄賂を渡した」と説明していることが5日、分かった。
海外での公共工事受注を巡っては、政府開発援助(ODA)事業に絡む大手建設コンサルタント「バシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)によるベトナムでの贈賄疑惑が表面化。
外国政府に対する日本企業の”わいろ攻勢”が横行している疑いが浮上し、特捜部は慎重に裏付け捜査を進めている。
関係者によると、西松建設と現地の大手ゼネコンとの共同企業体(JV)は2003年9月、バンコク都庁発注の洪水防止トンネル工事を受注。
その際、西松建設の現地担当者がJVを組んだ現地ゼネコン幹部と相談し、わいろを準備。
タイ政府当局者や入札担当者ら相手ごとに金額を設定し、受注決定の前後に支払ったとされる。
バンコク都庁によると、トンネル工事の総事業費は約60億円。
元幹部は、贈賄に直接関与していないとした上で「タイで公共事業を受注するには、こうした工作資金が必要だった」と、背景事情を話しているという。
外国公務員への贈賄禁止
日本を含む経済協力開発機構(OECD)加盟国が1997年、外国公務員贈賄防止条約を締結したのを受け、不正競争防止法を改正して盛り込まれた。
罰則は個人が5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人が3億円以下の罰金。
これまでに立件されたのは、指紋照合システムを売り込むため、フィリピン国家捜査局の元長官らにゴルフセットを送ったとして、九州電力グループの九電工社員が07年に略式起訴された1件だけ。
Kodak DC4800
’08/07/05の朝刊記事から
遠洋マグロも3カ月休漁へ 今後2年間で
遠洋マグロ業の国内最大の業界団体「日本かつお・まぐろ漁業協同組合は4日、東京都内で理事会を開き、組合所属のまぐろはえ縄漁船233隻について、8月1日から2010年7月31日までの2年間で順次2〜3カ月の休漁に入る方針を決めた。
燃料価格の高騰で採算が悪化しているため。
1年目は約100隻が参加する。
休漁対象はメバチマグロやキハダマグロ。
同組合の漁獲量は、国内で流通する冷凍マグロの約3割を占めており、スーパーなどで売られる刺し身用マグロの値上がりを招く可能性がある。
遠洋マグロ漁は出港後、1〜2年かけてマグロを取り、港に戻る。
港での停泊期間は通常2、3日で、修理が必要な場合は1カ月程度。
今回、停泊期間を2〜3カ月に延長する。
石川賢広組合長は「マグロの供給が細るのは避けられず、小売価格に影響を与えるだろうが、窮状を理解してほしい」と話した。
「休漁により、減少傾向にあるマグロ資源の回復にもつなげたい」とも述べた。
燃料価格の高騰を受け、全国漁業協同組合連合会(全漁連)など主要漁業団体が15日に全国各地で一斉休漁する方針を決めている。
’08/07/05の朝刊記事から
元副首相、同性愛容疑
マレーシア政府 米の介入に反発
【シンガポール4日齋藤正明】マレーシアのアンワル元副首相の同性愛容疑に関する捜査で、米国が捜査方針に注文をつけたのに対し、マレーシア政府が反発する事態になっている。
こじれれば両国の外交問題に進展する虞れも出ている。
米国務省のケーシー副報道官は6月末の会見で、アンワル氏への捜査に触れ「政治に左右されない法の執行が求められている」と発言、マレーシア政府をけん制した。
副報道官はまた、アンワル氏が1998年に同じ容疑で逮捕された後、無罪となったことを踏まえて「今回は同様の流れを望まない」と述べた。
これに対し、マレーシアのアブドラ首相は1日、「わが国への介入だ。捜査は適正に行われている」と強く反発、米国に抗議文書を送付することも辞さない意向を示した。
アンワル氏は人民正義党(PKR)顧問として、3月の下院総選挙で野党勢力を躍進させる原動力となった。
今回の捜査について、同氏や支持者たちは「事実無根で政府の陰謀」と主張している。