’08/07/09の朝刊記事から
日ロ首脳会談 領土交渉前進へ決意
生態系 共同で保全
福田康夫首相は8日、洞爺湖サミット会場の胆振管内洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺で、ロシアのメドベージェフ大統領と首脳会談を行った。
両首脳は北方領土問題解決の必要性を確認し、今後も首脳レベルで交渉を誠実に行うことで一致した。
また北方領土と知床周辺地域の生態系保全に両国が協力することで合意した。
日本政府は、強い影響力を持つプーチン首相との対話も重視しており、福田首相は大統領の再来日とともにプーチン氏の来日を要請し、大統領も了承した。
プーチン氏来日は年内の方向で調整する。
両首脳は、11月にペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議（APEC）で首脳会談を行うことも確認した。
会談で福田首相は、北方領土問題について「問題を解決し、（日本の）国民のわだかまりを取り除く必要がある」と強調。
大統領は「問題を解決すれば、両国の関係を最高水準に引き開けることができる」と交渉進展に前向きな姿勢を示した。
両首脳はその上で、最終解決へ「前進させる決意」が双方にあることを確認した。
首相は、北方領土の貝殻島付近で銃撃、拿捕されて乗組員一人が死亡した根室市のカニかご漁船第31吉進丸の引渡しも求めたが、大統領は「領土問題を解決すれば、こうした案件も起きなくなる」と述べるにとどめた。
生態系保全協力は、ロシアが実効支配している北方領土に対する日本の関与に、ロシア側が一定の理解を示した形。
両国は、北方領土などに生息する希少種や絶滅危惧種に関する調査を共同で行いデータベース化して共有するほか、船舶事故などによる油汚染や、鳥インフルエンザなどが発生した際の緊急体制構築も進める方針だ。
両首脳は、捜査当局が外交ルートを通さずに協力できる刑事共助条約を締結することでも合意した。
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