時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。
Antonietta Stella-"Santo di patria..", Attila, G. Verdi
★ 20世紀半ばから一世を風靡した美声と美貌を兼ね備えたプリマドンナ、
アントニエッタ・ステッラが歌うヴェルディ『アッティラ』から女戦士
オダベッラが敵の覇王、アッティラに向かって歌う。
この曲はソプラノの声殺しで、あのマリア・カラスですら歌わなかった、という。
私はこの曲を歌いたくてよくレッスンに持っていたけれど、マエストロは
「ヴェルディの歌の中でも、最も喉に負担をかける曲で、マリア・カラスも断念」
と反対された。
イタリアのソプラノでは、マリア・キアーラが歌ったが、やはりその声は細いので、表現に工夫が見られた。
イタリア人以外では数々のドラマティックなソプラノが歌ったが、やはりヴェルディのスタイルではない。
(このブログでも、エヴァ・マルトン、ディミトローヴァ、サザーランド、などこの歌の演奏ををUPしていた。)
名歌手ステッラは、歌手としての晩年にこの歌を歌っている。
さすが大御所である。指揮はまだ若かったリッカルド・ムーティ、
・・・アントニエッタ・ステッラ、イタリアはペルージャ出身の往年の名ソプラノ。
★ ではこの歌詞の和訳をどうぞ。・・・燃える歌詞である。(意訳はベッラ)
オダベッラ
聖なる祖国への愛!
勇士は剣を手に突進する、
まるでライオンのように。
おお野蛮人よ
お前の国の女は泣くだけだが
イタリアの女は
鎧に身をかため、燃える大地で
戦うのだ。
覇王アッティラ
その怒りは おお乙女よ
美しい
アッティラは強き者を称え
臆病者を嫌うのだ
勇敢なる乙女よ
何を求めるのか?
オダベッラ
わが剣を返しなさい!
アッティラ
私の剣を与えよう。
オダベッラ
この剣によって聖なる正義を許されたのだ。
侵略者の武器により武装するとは!
復讐の時よ、主は示された!!
★ ヴェルディがこの曲を書いたときは、イタリア統一運動を展開していた。
このオペラの時代設定は古代ローマ、イタリア中はこのオペラに酔った。
しかし、強靭な覇王アッティラからローマを救ったのは、エツイオである。
「最後のローマ人」として勇気と思慮を兼ね備えた英雄、あのカップッチッリの名唱は永遠だ。
From 藤井聡@京都大学大学院教授
【1.品確法が改正されました!】
与党から提出されていた、いわゆる「品確法」(公共工事の品質確保の促進に関する法律)の改正案が、先週の5月29日、国会にて(共産党や社民党も含めた!)「全会一致」にて成立いたしました。
http://www.kensetsunews.com/?p=32566
品確法は、いわゆる「公共調達制度」(政府が、公共の事業を行う時に、業者をどの様に選定するのか、という制度)の設計理念を謳ったものです。
そもそも、これまでの「公共調達制度」には、実に様々な問題点があったですが、過去20年にわたって吹き荒れた「公共事業バッシング」の風潮等のあおりを受け、その問題点は放置され続けてきました。
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/archives/1533
結果、実に様々な形で公益が毀損したのですが、今回の品確法改正は、そうした流れを断ち切る重要な契機となり得るものです。
しかし、この法改正の「理念」を、具体的に「実現」するためには、これからまだまだ、各種現場への浸透を期すために様々な取り組みが必要とされています。
ついては本日は、本件についての皆様の適正なご判断を支援するという趣旨にて、この法改正の持つ意義を解説したいと思います。
【2.これまでの公共調達制度の何が問題だったのか?】
まず、これまでの公共調達制度の何が問題だったのかを、解説いたします。問題は、大きく分けて、次の二つ。
第一に、「これまでの制度では、つくられるインフラ等の品質が劣化していく」というもの。
第二に、「これまでの制度では、建設産業の技術力と供給力、生産性が衰弱していく」というもの。
そもそも、政府が業者を選定するには「基準」が必要ですが、その基準には大雑把に言って、「値段の安さ」と「値段以外の要素」の二種類があります。
ところが、これまでの公共調達制度では、「値段の安さ」が過剰に重視され、「値段以外の要素」が過剰に軽視されるという傾向がありました。
結果、各業者は、仕事を取るために、兎に角「安くする」ことに専念し、低価格競争が激化しました。それがいわゆる「ダンピング」と呼ばれる問題です。
そうなると、必然的に「値段以外の要素」が軽視されていきます。
そして、「安全」が軽視されるなど、結果的に「インフラの品質」が劣化し、挙げ句に、かの姉歯事件の様な「偽装事件」まで起こるという状況となってしまいました。
以上が、第一の問題ですが、「値段の安さ」が過剰に重視さて失われるのは「インフラの品質」だけではありません。
「インフラ産業の質」も急激に低下していくこととなりました。
すなわち、ダンピング等のせいでインフラ産業が「割の合わない、儲からない仕事」になり、結果、多くの業者が倒産することになったのです。そして、儲からなければ、機材も増やせないし、研究開発もできないし、人も増やせないし、十分な社員教育もできなくなってしまいますから、結果、倒産しない業者においても、技術力、供給力、生産性が軒並み低下していきました。
結果、労働者の給料も下がり、現場の「やる気」「やりがい」もどんどん失われていきました。
そして多くの優秀な技術者が、建設の現場から姿を消していくこととなったのです。
こうして、現状の制度によって、インフラ産業の大幅な質的劣化がもたらされたわけです。
その結果、震災復興をはじめとした必要な建設事業が、迅速に進められない事態となってしまいました。
もちろん、この状況が放置されれば、復興も遅れ、強靭化、老朽化対策等も不十分なまま放置され、国益が巨大な水準で毀損していくこととなります。
実際、国内建設業の供給力には、ほとんど余裕が無くなってきているのが現状ですが、その背景には、こうした「公共調達制度の不備」の問題が、大きく横たわっていたのです。
【3.品確法改定を通した状況改善】
以上のような問題を改善し、国益毀損を食い止めるためには、公共調達において、政府が、「値段の安さ」以外の「値段以外の要素」を十分考慮していくことが、絶対、必要です。
つまり、政府は、「安けりゃいいじゃん」という姿勢でなく、「良いものを、適正価格で買い取る」という「真っ当な大人の態度」を持たねばならない、というわけです。
こうした趣旨にて、かつて品確法は制定され、運用されていたのですが、それでもなお、「値段の安さ」を過剰に重視し、「値段以外の要素」を過剰に軽視する、という傾向は十分に緩和されませんでした。
そんな中で、本国会で成立した新しい品確法では、こうした実情を鑑み、旧品確法を抜本的に改善し、「値段以外の要素」を適正に評価し(無論、低すぎるばかりではなく高すぎることのない)「適正な価格」を保証するような制度の作成方針が明記されたのです。
換言するなら、旧制度のせいで「脆弱化」してしまった日本のインフラとインフラ産業の双方を「強靭化」するための法改正が、この度の品確法改正だというわけです。
その基本的な改定ポイントは、以下の二点です。
第一に、公共調達の「制度」は、「将来の建設の担い手を確保し、育むことができる」ようなものでなければならず、かつ、「ダンピングを防止できる」ようなものでなければならない、とう理念が明確化されました。
第二に、この理念を実現するために、工事を発注する「政府」には、上記理念に基づく制度を整備する「義務」があることが明確化されました。
なお、この改定品確法は「議員立法」でしたが、この国会議員からの提案に対応するためのより具体的な制度改正にかかわる建設業の関連法案が、品確法成立と同時に、「政府提案」という形で成立ました。
これらを通して改定されたのは、以下のような具体的な諸項目です。
■「建設業法」に、政府には建設業の将来の担い手を育成する責務があることが明記され、「入契法」にダンピング対策を行うことが明記された。 (品確法の理念を実現するための関連法の改定)
■市場の実態を反映した予定価格の設定 (かつては、建設業者が鉄筋やセメント等を買うために払ったおカネや、労働者に支払ったおカネが、必ずしも政府から全て支払われ「ない」、というヒドイ話が頻繁にあった。これが、建設業者を苦しめていたのだが、そういう事が無いように、業者が払ったお金を的確に政府が払うようにする、という、至極当たり前の改定)
■「低入札価格調査基準制度」や「最低制限価格制度」の導入 (ダンピングを防止するための具体的な仕組みを導入する、という改定)
■適切な工期設定 (年度の都合等で、異常に短い期間で工事を終わらせよ、という理不尽な政府発注案件がしばしばあったが、そういう発注を避けるようにする、という当たり前の改定)
■複数年契約や複数工事の一括発注を可能とする (複数年次で契約したり、関連する複数の工事を一括して発注する方が、より適切な工事が可能となるケースは多い。しかし、それができないという理不尽な規制がかつては強かった。そういう理不尽を無くし、柔軟に発注できるようにしよう、という当たり前の改定。これによって、「適切な工期の設定」がより容易となる)
■設計変更の実施 (実際に工事をしてみると、現場で不測の事態が生じてしまい、予定とは違って余計におカネがかかってしまう、ということはしばしば起こる。しかしこれまでは、その余分にかかったおカネが政府から十分に支払われない、というヒドイ話がしばしばあった。これからは、しっかりと変更理由を査定することを前提に、そういう理不尽なことは無くそう、という至極当たり前の改定)
■地域の実情や事業の特性に応じた「多様な入札契約方式」を選択できるようにする (単純な工事と複雑な工事とでは、業者選定の基準が変わって当然。しかし、そういう当然の柔軟性はかつては十分になかった。結果、不適切な業者が選定されることもしばしばあった。そういう事態を避けるため、諸事情を勘案して、選定方式を柔軟に変えましょう、という当たり前の改定)
■入札時の金額内訳書の提出を義務付け (「不良業者」が、仕事欲しさに技術力もないくせにメチャクチャに安い金額で入札することがしばしばあった。これがダンピングを加速していたが、それを避けるために、入札時にはその「金額内訳書」を出させ、メチャクチャな積算をしていないかどうかを、政府がチェックできるようにする、ということ)
......以上、いかがでしょうか?
こうやって一つ一つご確認いただくと、如何にこれまでの公共調達制度には様々な問題があったのかご理解いただけたのではないかと思います。
ただし、これらの問題は細かい話すぎて(全てややこしい話ですよね 笑)、建設業に詳しくない一般の方々はほとんど知らないのではないかと思います。
が、今回の法改正は、こうした細かい様々な問題の一つ一つを解消しようとする、建設業界においては、「画期的」な法改正となっているのです。
ちなみに、こうした問題はいずれも、橋本内閣、小泉内閣の様々な「改革」の結果として、生じたもので、そういう理不尽な「改革」以前には、こうした問題は、いずれもほとんど生じてはいなかったのです!
※ そのあたりの詳しいことにご関心の方は、下記論文をご参照ください。
http://bit.ly/1pyMxO6
つまり、今回の法改正は、橋本内閣、小泉内閣で進められた改革による「弊害」を緩和、解消するためのものだと解釈することもできるのです。その意味でも、この法改正は、「画期的」なものだとも言えるのではないかと思います。
しかし、かつての「改革の弊害」は、極めて甚大なもので、今回の法改正だけで、すべての問題を解消し尽くすことはできません。
したがって、今回の改正は、「改革の弊害を乗り越えるための第一歩」と位置付けられるともいえるでしょう。
これから、この歩みをさらに前に進めることができるか否かは、国民の皆様方の、「大局的な問題」理解と、それに基づくご支援如何にかかっています。
ついては本件につきましても、一人でも多くの国民の皆様方にご理解、ご支援いただけますこと、ご祈念申し上げたいと思います。
では、よろしくお願いいたします!
(以上、藤井聡教授)
★ 藤井聡先生には多くのバッシングがあったが、それをものともせず、強い意志でお考えを貫かれ、現実のものとされました。
また藤井先生は国士の学者でもあります。
TPPも外国人労働者・移民政策も大反対、琵琶湖の外来種の魚も「これが悪いやつで」、そして「権力の中枢に座ってしまった魚」と説明、爆笑の講演会です。
【藤井聡】怒りの教授
【藤井聡】国土強靱化レポートPart14[桜H26/6/4]
第二次安倍内閣の中心政策である「国土強靱化」。来るべき大地震への対応の他、震災復興やデフレ対策としての意味も持つこの政策は、自民党が野党時代から入念に準備してきたものである。この重要政策を国民の皆様に周知するため、内閣官房参与(防災・減災・ニューディ-ル担当)として政府への助言者となった藤井聡教授に、節目節目でその政策や理念をご解説いただくシリーズです。
今回は、「国土強靱化基本計画」と「国土強靱化アクションプラン」の閣議決定を受けての今後の見通しと、デフレマインドからの脱却が必要な「強靱化成長論」、グローバリズムと脆弱性の相互の関係や、規制緩和と税制の問題などについてお聞きしていきます。
【動画に寄せられたコメント】
・藤井先生の『政の哲学』も良いです。
孤軍奮闘されているようですが頑張ってください!
・大和魂・武士道は超長期的時間軸の上にたった極めて合理的な考え方であり、長期成長論でもあると思います。だから日本は強いんだと思うんです。グローバル派の成長論は短期的であるのに対し藤井先生のおっしゃる成長論は日本人の心・性質・大和魂・武士道にぴったりマッチングするものだと思います。日本人の心にマッチするものだからこそ、成功すると思います。いつも応援しています!
★ 国会で訴える藤井聡京都大学大学院教授(昨年11月)
藤井聡 衆議院 災害対策特別委員会 参考人招致 2013.11.14
【動画に寄せられたコメント】
・藤井先生は頭脳明晰なだけでなく、話も面白いし、哲学者的でもあり、何しろ本気で日本の為を思って活動されておられる方です。
日本の宝だと思います。
・難しいテーマです。いつ起こるか分からないことに巨額の予算を使うことを国民は許さないでしょう。大多数の国民は愚かだからです。先生が選良の心を動かし国政を動かされることを心から祈念します。