ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

「神のごときフラグスタート」伝説的なプリマドンナ、悲劇を乗り越えて歌う。

2016年07月30日 | 政治

「神のごときフラグスタート」と讃えられた彼女の全盛時代はナチス統治の頃だった。
フルトヴェングラーはドイツ音楽を護る為、ナチス政権下で指揮をし、ユダヤ系の楽員をひそかに外国に逃がしていた。
そのフルトヴェングラーが絶賛したソプラノはフラグスタートで、世界最高のドラマティック・ソプラノだった。

キルステン・フラグスタートはノルウエー出身、祖国ノルウエーはナチスに占領され、なんと夫はナチスと協力したという疑いで投獄。(彼女の夫の疑いは晴れたが夫はその後亡くなる。彼女の演奏にはあからさまな妨害も出た。)
客席は冷淡な反応、そのような中で彼女は歌の力で逆転し客席は熱狂、しかしマスコミは冷ややかだったと彼女の自伝にある。

コンサートが始まると客席は嫌な雰囲気で、歌うのに勇気が必要だった。
しかし彼女が歌い始めると客席は熱狂した。彼女の「勝利」だった。
驚いたことにマスコミは「完全な失敗だった」と報じた。

Kirsten Flagstad "Ave Maria" Schubert


もう一曲、フラグスタートが珍しくイタリア語で歌ったヘンデル作曲「セルセ」から
オンブラ マイ フ(木陰よ)

完璧なイタリア語の発音と抑揚に驚いた。(彼女はイタリアオペラを歌っていない。)
ドイツ音楽を歌っていた歌手はかなり訛りがあるはずだが、それがない。

Ombra Mai Fu-Kirsten Flagstad



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青山繁晴氏って・・・、他に中西輝政京都大学名誉教授のお話(追加)

2016年07月28日 | 政治

・・・最近は書きたいことも書けないでいる。

天皇陛下が生前退位の意向!宮内庁が否定した理由!陛下の真意はどこにあるのか #青山繁晴

天皇陛下の『生前退位』を「NHKの歴史的特ダネ」ですって?

青山氏はもう黙ってはどうか。「〇〇に訊いたところ」などいつものおなじみのセリフではないか。


★ パソコンを使用するようになってから字を忘れるし乱雑になるし、以前買っておいた「ペン習字」の本を取り出して書き込んで練習することにした。

追加です。

中西輝政京大名誉教授が「WILL」九月号で、イギリスがEU離脱後、EUがチャイナに最新の武器を売ることになれば日米の対チャイナへのバランスが崩れる、フランスもチャイナに最新武器を売る気は満々と書かれていた。
EUを離脱したイギリスも加わり熾烈な競争になるということである。
そうなれば日本は最も危険にさらされる。

さらにこう話しています。

「70年談話」は左派の村山さんの談話と保守の安倍さんの談話が重要な点でほぼ完全に同じ内容だったということでいわば「決定版」になり、将来永く日本を拘束すると思います。
また国としての公式の歴史談話は、憲法と思想的に一体のものとして切り離せないものだと思います。
それで言うとあの「70年談話」は護憲派の談話です。・・・・・先日、参議院選挙の結果が判明して、「改憲勢力が三分の二」と日本のメディアが大きく報道した為、アメリカの日本専門家がビックリして「憲法九条改正はやらないはずではなかったのか」とコメントを出していた。
これは論理的に正しい。つまり九条改正をやるなら、安倍談話を取り消さないといけないのです。
原爆の謝罪の問題もそうですが、少なくとも歴史談話の決定的な重要性について、日本人は、「国際的に標準と考えられるものはこうですよ」ということを知っておかないといけません。(以上)


ブログのティールーム

★ 忘れもしないイタリアの至宝、魅惑のプリマドンナ、フィオレンツア・コッソット。
ヴェルディのメッツオ・ソプラノを歌って天下無敵だった。
4000人収容のホールをオーケストラを圧倒して響き渡る豊麗な声、そして舞台映えする姿。
完璧を期し、常に研究を怠らなかった。音楽で一切妥協しないので「雌獅子」と恐れられたともきく。

曲はヴェルディの「ドン・カルロ」よりエボーリ公女のアリア≪むごい運命よ≫

Fiorenza Cossotto - Don Carlo - O Don Fatale


中世スペイン宮廷のエボーリ公女は激しい性格で才色兼備、捕らわれの王子ドン・カルロを救おうと決意し、「あと一日残っている!」と危険な賭けに出る。ヴェルディの強いフレージングを見事に歌い圧倒的な存在だった。
彼女の現役時代、私は5回その素晴らしい実演に接した。舞台を降りると私にもとても優しくご主人(声楽家)を紹介して下さった。

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男性の「嫉妬」 名曲でどうぞ。

2016年07月27日 | 政治

嫉妬は女性専用などと、とんでもない。男性の嫉妬は陰湿ですらある。
男性が仕事上その他で到底かなわないライヴァルに向ける感情の中には相手を讃えるおおらかなものもあるが、それは比較的少数だろう。
それは「公明正大」などとはとても言えない度量の狭い感情に取り込まれる場合が多いときく。
しかも実に情けない実態に走る傾向があるようだ。(政治的には書きたいが書きにくい。)

(真正保守に忍び寄る「敵」は、このような軽い曲でなくヴェルディ「オテッロ」のイアーゴがふさわしいが。)

ドミンゴが歌っているのは「ジェラシー」、原語のスペイン語では「セロス」という。
この曲は笑い飛ばし楽しませる名曲だ。

Placido Domingo sings Jealousy Tango


これを同じスペイン人でもカレーラスが歌うとなぜか真剣になる。
カレーラスはこの曲を歌っていないが・・・。

ではイタリアでは・・・イタリアのカンツオーネの多くが女性に振られてそれを大声で嘆く内容で、少し違う。


・・・コレッリ、愛犬と共に♪

ついでにカンツオーネ「夜に歌う」を。
これもジェラシーを歌っている内容だが、恋に破れた切ない男心を歌いあげている。
不出世の名歌手、フランコ・コレッリが歌ったもので、「声の勝利」であろう。

Corelli - " Voce 'e notte " Canzone appassionata Napoletana " di De Curtis


★ コレッリの激発的な表現はたまらなく心を揺すぶり、遺された録音からは今なお新鮮な魅力として伝わってくる。
1921年生まれ、大型歌手として最後の世代だった。

ドミンゴについては声の「贅肉」を時々感じてしまう・・・。キリッと引き締まった声のデル・モナコやコレッリ、
ベルゴンツイらの名歌手に慣れ親しんだ私にとっては・・・です。

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「日本はどうなるのだろう」愛国者の声

2016年07月25日 | 政治

参議院選挙からあまり面白くない気持ちだったが、京都の〇氏と電話でお話をした。
〇氏はご年配の男性でご夫妻ともにお付き合いをしているが、自民党圧勝の中で「日本はどうなるのだろう」とご心配をされていた。
そうとも知らず「日韓合意」の意見の食い違いから私は西田先生の会にも行かず〇氏とも疎遠になってしまっていた。

今は「西田先生は変わってしまわれた」と嘆いていらっしゃった。
「日韓合意」の時は〇氏は自民党を擁護され、私と意見が違っただけにこの言葉を発せられるとは意外だったが、やはり愛国者である。
青山氏の発言にも疑問を持たれていた。

「もう疲れた・・・」と仰った。私も疲れた・・・。
「日本を護る政治家が当選しない」と嘆いていらっしゃったので「これぞと思う政治家は潰されるのですよ」とお答えした。
私は〇氏には言わなかったが、いろいろなことで怒り疲労困憊していた。

身体的・精神的な疲れは「気分転換」が必要だ。
別の脳を使うことであると思う。


ブログのティールーム

かつてホセ・カレーラスの抒情的な歌と声が素晴らしくて、よく聴きに行った。
オペラ以外でもリサイタルは何度も行った。
その頃は即興的な伴奏をしつつ声のことを知り抜いたヴィンチェンツオ・スカレーラが伴奏した。
スカレーラはミラノ・スカラの副指揮者も兼ねていた。このyoutubeもスカレーラが弾いている。

この曲は純情な青年が評判のよくない美女に憧れ、「あの人はそんな人じゃない」と歌う、カレーラスの声と風貌によくあったスペインの歌曲で、バルセロナ出身のカレーラスは好んで歌っていた。
曲名は「酒場の女」と訳されていたが、「そんなことはあり得ない」というのが本来の訳である。
傷つきやすい青年の純情さが歌われている。

Josep Carreras: "No puede ser" - 1984 Calonge Recital


その後、カレーラスは白血病に冒され闘病生活を続けるが奇跡的に回復した。
再起のリサイタルの時はステージの上に多くの赤いバラが並べられたという。
今は既にオペラを引退した。歌曲だけのリサイタルしか開かない。

私がはじめてこの曲を聴いたのはドミンゴが歌ったもので、カレーラスとは対照的な印象だった。
純情な青年の歌というよりも世慣れた男性的な情熱が溢れているように感じた。
(曲の内容は純情な青年の初恋だが、ドミンゴが歌うとそうではないような・・・。)

Placido Domingo-No puede ser-7/7/1990 Rome


この曲は当然ながらスペイン語で歌われ、イタリアの名歌手はほとんど歌っていない。


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ヴァイオリンの巨匠メニューインのこと

2016年07月24日 | 政治

メニューインの弾くメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」を3分弱とりあげたyoutubeを貼った。
このように「誠意」を尽くす演奏は心地よい。


ブログのティールーム

★ 3分間、20世紀の巨匠メニューインの弾くヴァイオリンを・・・メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲より

Yehudi Menuhin plays Mendelssohn violin concerto


メニューイン・・・ユダヤ人ヴァイオリニスト、メニューインは、「ヒトラーのドイツは滅びたのです」と言って、ドイツとの和解を呼びかけたが、彼のこうした姿勢はユダヤ人社会の憤激を買った。この為、ユダヤ系音楽家が支配的なアメリカ楽壇から事実上追放され、移住したイギリスを拠点に活動するようになる。イスラエルに対しても、晩年まで批判的な姿勢が見られた。

ソ連を批判したチェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチが、その反体制的な姿勢からソ連当局から嫌がらせを受け、出国を妨害された際には、自らソ連当局に圧力をかけるなど、共産主義体制下のソ連音楽家を支援している。(WIKI)

メニューインの優雅な奏法はさすがである。
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