ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

聴くビタミン、いぶし銀のバリトン、カップッチッリ

2016年05月25日 | 器楽曲

ブログのティールーム




★ 20世紀最高のバリトン、カップッチッリの歌う歌曲「禁止された音楽」・・・モデナでのリサイタルより
Piero Cappuccilli "Musica proibita" Gastaldon

・・・その歌はいつも抑制されいぶし銀のような深さと気品が満ちている。たとえこのような小曲を歌っても・・・

Oh com' è bella,quella melodia! Oh com' è bella,quanto m' è gradita!
(おお、なんて美しいメロディーか、なんて素晴らしいメロディーでしょう、おおいに歓迎!)
・・・これは歌詞の一部です。(1分35秒から)
・・・私はすっかり陶酔、カップッチッリの歌によって言葉は真実の響きを帯び、美しい音楽がいっしょになって心に迫ってきます。・・・

時間が許せばもうひとつエントリを書く予定ですが・・・。
今はこのティールームで元気回復、聴くビタミン。



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心に迫るドヴォルザークのチェロ協奏曲~ Mstislav Rostropovich , Seiji Ozawa

2016年03月23日 | 器楽曲

  ブログのコンサートホール

Antonin Dvo�・�・k Cello Concerto B minor, Mstislav Rostropovich , Seiji Ozawa

・・・この演奏、いつも涙を堪えるのに苦労した。(泣いてしまうと音楽がわからなくなる。泣くより堪えることの辛いこと。)

ロストロポーヴィチは何と人の心を知っていることか・・・何という説得力か・・・音楽的な「覚悟」のある名演奏。

そこには「誠」あるのみ、一切の虚飾がない。三宅博先生と同じように。

【追加】この曲、第一楽章でふと「冬の夜」(文部省唱歌)を思う旋律がある。(5分30秒頃から)もちろん偶然である。
日本人に馴染みやすい旋律。(ドヴォルザークは祖国への愛をボヘミア民謡などをしのばせて作曲。)


文部省唱歌(1912年)

1 ともしび近く 衣(きぬ)縫う母は
  春の遊びの楽しさ語る
  居並ぶ子供は 指を折りつつ
  日数かぞえて 喜び勇む
   囲炉裏火(いろりび)はとろとろ
  外は吹雪

2 囲炉裏のはたに 縄なう父は
  過ぎしいくさの手柄を語る (日露戦争と思われる
  居並ぶ子供は ねむさ忘れて
  耳を傾け こぶしを握る
  囲炉裏火はとろとろ
  外は吹雪


                      


★ 先日、旧ソ連出身の偉大なチェリスト、ロストロポーヴィチのことをご紹介した。
 ソ連政府を批判し、友人である作家ソルジェニツイン(「収容所群島」を書きノーベル賞)を匿った為に
「人民の敵」として妻子ともに国外追放になった世界最高のチェリスト、巨匠ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ。

困窮する巨匠にボストン交響楽団の指揮者となった小澤征爾氏が、アメリカ公演長期滞在のために購入したアメリカの自宅を提供。
ロストロポーヴィチは恩を感じて「日本人街」で買ってきたお線香を毎日小澤の父の遺影に供えたという。
しかしアメリカ帰化をせず。ソ連からロシアとなった時、祖国に帰りその地で没。心から祖国ロシアを愛した芸術家だった。

★ そしてこのことも付け加えておきたい。
国外追放後、ロストロポーヴィチ氏はモスクワで1991年のクーデターを知り、すべての演奏会をキャンセルして急遽帰国しモスクワに急行、ソ連の体制を打倒の為、モスクワ市民と共に行動に参加した。・・・これは既に高齢だったロストロポーヴィチは共に戦うことは周囲によって止められたが、自らを「音楽の兵士」と言っていた。

★ 小澤征爾氏は恩師の斎藤秀雄・カラヤン亡き後、ロストロポーヴィチを師と仰いだ。
ロストロポーヴィチはモスクワにてソ連の「アフガニスタン侵攻」を激しく批判し、また「収容所群島」を書いた友人の作家ソルジェニツインを匿ったことから「人民の敵」として手荷物ひとつで国外追放、その後小澤征爾氏に助けられ、小沢氏の家に住むことになったロストロポーヴィチ、来日して田舎をまわってコンサートを開いた。

民家に招かれ、いっしょに鍋を囲んだりしてロストロポーヴィチはすぐに地元の人々になじんだ。
無料の青空コンサートだった。
指揮はもちろん小澤征爾氏、ロストロポーヴィチはお寺でコンサートを開く。
地元の人たちは驚きながらもはじめて「世界の巨匠」の名演奏に接した。下記はその時の画像。



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天馬空を行く、天才女流ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのチャイコフスキーピアノ協奏曲

2016年03月21日 | 器楽曲

ブログのコンサートホール

天才女流ピアニスト、マルタ・アルゲリッチが弾くチャイコフスキーピアノ協奏曲第一番

Tchaikovsky Piano Concerto No 1 FULL / Martha Argerich, piano - Charles Dutoit, conductor


才色兼備のアルゲリッチ、奔放な表現は男性ピアニストすらもしのぐ勢い、その天才ぶりは鍵盤上のマリア・カラスとも讃えられた。


このピアニストは「女性ならではの細やかな表現」などという領域ではない。

実に壮麗で力強い。

この時の指揮者は夫のデュトワであるが、東京公演の時、夫であるデュトワの浮気がバレて気性の激しいアルゲリッチは公演をキャンセル、
もちろん夫は追い出され離婚であった。

アルゲリッチの腕は指揮者の岩城宏之氏が「まるで脚のような太い腕だった」と書いている。
男性顔負けの力感溢れる演奏は、音楽だけを聴くと誰も「女性ピアニスト」とは思わず、男性ピアニストより力強かったという。

作家の百田尚樹さん、この方の「クラシック音楽評論」は私は高く評価している。
アルゲリッチの演奏を「美のシャワー」と書いてるが、まさにその通り。

作家で音楽評論を書いたのは古くは「銭形平次」の作者である野村胡堂(音楽評論では「あらえびす」と称している)。

そしてドナルド・キーン、彼のオペラ評論は素晴らしい。実際にフラグスタートやカラスを聴いた貴重な体験を臨場感あふれる表現で書かれている。戦後の貧しい舞台装置の中でフラグスタートがヴァーグナー「タンホイザー」のアリアを一声歌うと舞台は壮麗な城内になったような感動、また、マリア・カラスが舞台に現れただけで聴衆に喜びが走り・・・など、数多くの名歌手の名舞台に接した時の感動を読み手にリアルに伝える。

もうひとりは百田尚樹さん。彼の小説もいいが、音楽評論のほうが私は素晴らしいと思う。百田さんはクラシック音楽を語る時はいつもの百田さんではない、別の人間になってしまうような気がする。(百田さん、ごめんなさい。この時は上品な紳士に思えます。)
彼の風貌からは予想もできない美しい言葉が次々とでてくるのと、のびのびとしていて音楽評論家以上の表現力で書いていると思う。
特に、このアルゲリッチをはじめ、リヒテル、フルトヴェングラーなどのところの記述は、共感を得ると共に美しい音楽を尊重しこれ以上ないほどの尊敬をこめて書かれている。



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トスカニーニの練習風景 ベートーヴェン『コリオラン』(コリオラヌスのこと)

2015年10月15日 | 器楽曲
 
★ この曲はずっと支持している三宅博先生に。
 
Arturo Toscanini "Coriolanus Overture Rhearsal" Beethoven


「もっと力を!」トスカニーニ指揮、これは練習風景です。
曲はベートーヴェンの「コリオラン」序曲。
ローマ時代の英雄コリオラヌスの悲劇を描いたもの。

トスカニーニのこの表現力、今の指揮者にない情熱と心意気を感じます。妥協を許さぬトスカニーニ。




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麗しきポーランドの女流ピアニストふたり、ステファンスカとスメンジャンカ

2015年05月28日 | 器楽曲
 
★ ポーランドの誇る20世紀中葉の美しき実力派女流ピアニストふたりを久しぶりに聴いた。
日本ではもう忘れられているか、あまり報道されなかったふたりの名ピアニスト、しかし今のピアニストでは聴けない情緒と激情があり、録音は古いに関わらず、心を揺さぶる名演奏である。


最初にハリーナ・ツェルニー=ステファンスカ。ショパン「ポロネーズ」作品44 

Halina Czerny-Stefanska: Polonaise, Op. 44 in F sharp minor (Chopin)



次は女優のような美女、レギーナ・スメンジャンカ。

Regina Smendzianka: Waltz in B minor, Op. 69, No. 2 (Chopin)


素晴らしい!!

コメント (4)
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