★ 宮崎正弘氏、さすが鋭い・・・
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)9月30日(金曜日)弐
通算第5045号
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米国にとってばかりか、日本も頭痛の種は比大統領
領海問題を棚上げして経済ミッションを率い、ドゥテルテは訪中へ
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やはり華人。ドゥテルテ比大統領は、スカロボー島の中国侵略を批判せず、事実上棚上げにする姿勢だ。比漁民の安全操業について話し合いを継続するが、軍事的対決は避ける。国際仲裁裁判所の決定は?
ドゥテルテの心情の基底にあるのは徹底的な「アメリカ嫌い」である。
中国はその分を相殺して、どうやら好きらしい。アキノ前政権までに構築してきた米比関係の躍進的改善も、オバマ米政権の失策もあるが、白紙に戻る恐れが出てきた。
米側は麻薬密売人射殺を「人権無視」と高飛車に非難しているが、ドゥテルテは、「それなら米軍がなしたフィリピン国民四十万人の虐殺はどうなるのか。米国はそんなことを言える資格、もしくは権利があるのか」と食ってかかった。
レイテ島へ行くと、マッカーサーの上陸ポイントに巨大な像が建っている。
まるでフィリピン解放の英雄としてだが、付近の住民は見向きもしない。「なにが解放だ、コレヒドールから部下を置き去りにして逃げ出し、勝ちが進むと、こんどはコレヒドールで塹壕やトンネルに残った日本兵を殲滅した」のは誰だ。
だからコレヒドールへ行くと、現地ガイドは日本のサムライ精神を称え、ルバング島から三十三年孤独に戦ってでてきた小野田少尉を称賛する。その説明を聞いているのはアメリカ人、カナダ人、欧州人だが、構わずに喋っている。
ドゥテルテ比大統領、その反米精神はよし。しかし国際情勢を客観的に眺めて、領土領海を棚上げし、中国になびいてビジネス優先路線を突っ走るのは狭量という批判は免れないのではないか。(以上)
ブログのティールーム
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命も危なかったと誰もが思ったのだが。まさに不死鳥だった。
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