★ 「希望の党」はなかなか奥が深い、自民党ではなかなか言えないことをズバッと言っているのは痛快だ。
「自民党では言えない」ということで注目している。かつての「次世代の党」を支持し信頼していた私にとって自分自身が熱烈に魂を投入せんばかりのものとは少し違うが、この実行力に拍手を贈りたい。
世間は「二者択一」風に自民党と比べてどちらかを貶めるだろう、しかし私はそれに与するつもりはない。
そのような時、藤岡信勝先生の文を読んだ。(以下転載)
藤岡 信勝
9月28日は日本の政治にとって画期的な、記念すべき日だった。
民進党という、反体制・容共政党が崩壊した日だったからだ。
衆議院が解散すると同時に、野党第一党の民進党も事実上解散してしまった。
前原代表だけは残務整理で残り、民進党は形式的にはまだなくなっていないかのようだが、それはただの移行過程にすぎない。
菅直人、辻元清美も含む全議員が賛成し、つまり誰一人反対する者もなく、満場一致でみずから解党して消滅し去った。集団自殺のような光景だ。
これで米ソ冷戦期の産物で、負の遺産として日本政治のメインステージにデンと居座っていた容共政党がなくなる。これはまさに歴史的な、実に凄い出来事だ。
こういう角度からの論評があまり見られないのは不思議だ。
我々が目にする政治評論は、あまりに目の前の細々とした出来事に拘束されていて、大きな視野を見失っているように思える。
1990年代以降の日本政治を振り返ってみよう。そもそも民主党は鳩山由紀夫がつくった政党で、その機能は選挙互助会だった。
綱領もない。つくろうとすると分裂するから長いことつくらなかった。
その後民進党にかわったが、民主党も民進党もその客観的な役割は社会党と同じだった。
その証拠に、2015年の安保法制騒動の中心になった。日本の政治の最大の課題は、国民の生命と財産の安全の確保だが、そのための政策に絶対に反対する政治的DNAを持った勢力が政界に根を張っていたのだ。
今回の小池新党もまさに選挙互助会だが、客観的機能は政界からの容共政治家の排除である。
憲法と安全保障問題で左翼思想の人物は受け入れない、と小池は旧民進党議員受け入れの基準を明示している。
昨夜(28日夜)前原から小池に、民進党から受け入れて欲しい立候補希望者の名簿を渡した。
これを全部認めるというつもりは「さらさらない」と今朝のぶら下がり記者会見で小池は断言した。
今後のことはわからない。
しかし、事態は、小池党首の国政選挙出馬を待望する声が大きくなり、10月5日の都議会終了後、立候補するという流れで進む可能性が高い。
総理大臣になること以上に重要な案件はない。
メディアは都政を放り出すのは無責任だと気違いのように批判するだろうが、その逆風が反対に有利に作用することもありうる。
選挙結果は、希望の党だけで過半数をとることは難しい。
他方、自民党も相当の議席を減らすだろうが、必死にがんばって、自公で過半数を維持するだろう。
結果として、北朝鮮危機という国難に対処するために、大連立政権をつくるかもしれない。
結局、小池新党は、日本で初めて、保守二党体制が実現するきっかけになる。
日本の政治は、自民党、希望の党、公明党、共産党の4つの政党に単純化されて行くだろう。
北朝鮮危機を通して安全保障問題に国民が目覚めるように啓蒙すれば、戦力保持と交戦権を明記した憲法をつくる可能性が生まれる。
一見、安倍首相と小池党首は対立し、互いに相手を批判することで選挙戦を盛り上げるだろうが、小池新党の登場は、自民党にとっても究極のセイフティ・ネットになっている。
共産党と社民党は、小池新党を「自民党の補完勢力」と非難しているが、事実認識は私と全く同じである。
真の敵こそが真実をより知っているのかも知れない。
今後、政局は激動し、予想外のことがおこり、紆余曲折を経るだろうが、大局は日本にとってよい方向に進んでいる、というのが私の観察である。
政治的出来事の評価に当たっては、一切の感情論を排除して、政治的結果に着目し、大局的に観る必要があると改めて思う。 (以上、藤岡信勝氏のFBから)
★ ネットを見てるとすぐに「希望の党が~」「自民党が~」など、それ以外にも実に激しい貶めの書き込みがあるがそれでは「自分はここの一員」という縄張りから出られない。
藤岡先生のこの文は、窓を開けて「知的」で新鮮な空気を入れたような感動だった。
櫻井よしこ氏の文も読んだが私には少しプロパガンダのような気がしてならない。
なぜかうさんくさいイメージがする。青山氏の話もそんなところがあるような気がする。(個人的な感想)
ブログのティールーム
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