★ 往年のイタリアの名ソプラノ、アントニエッタ・ステッラが歌うヴェルディ
『トロヴァトーレ』より~穏やかな夜~この心ことばに言えない
Antonietta Stella. Tacea la notte placida... Di tale amor. Il Trovatore. G. Verdi.
★ この曲は私の声に合うということで、よく練習し、コンサートでも歌った。
でも、今は歌わない。ヴェルディは調子がもっと戻って、10のうちの7くらいの
声の配分で、そして十分な息に支えられて余裕で歌わないと。
まだブレスで咳き込むのは、もう少し具合を見てからという意味だろう。
でも、頭の中で勉強はしないといけない。
今は呼吸法と発声、そして歌曲の練習である。
でも何となく楽しくなってきた。
B先生(イタリア人の故・老声楽教師・・・ジーリの伴奏もした)は「あなたの声は神様からのプレゼント、レパートリーを間違えないように、決して『アッティラ』など歌おうとしないように。本来歌える曲が歌えなくなる」という励ましと忠告を護って、声は保持してきた。
まさか甲状腺線種の手術で喉を切開なんて考えてもいなかったし、人生はいろいろあるものだ。今は切開の傷もほとんど目立たなくなった。
変に落ち着き払っていたけれど、10代から歌が命だったことを思うと、気分は重かったが、先日、声に問題はないとわかり、精神的に楽になった。
★ もうひとつ、よく好んで歌ったのがカタラーニの『ヴァリー』である。20歳の時から歌っている。
これは無理なく歌え、レガートの勉強になった。そして最後のほうの強い高音は楽で、待ち構えていた。
しかし基本はソットヴォーチェだ。絹糸を紡ぐように弱声で歌っていくときはゾクゾクした。
今はこの曲の前半で発声の調整をしている。最後の強い高音はしばらく避けている。
現代の代表的なソプラノ、アンジェラ・ゲオルギューの歌が素晴らしい。
Angela Gheorghiu - Ebben, ne andro lontana - Concert in Versailles 2013