今日のひとネタ

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「らも-中島らもとの三十五年」/中島美代子

2007年10月02日 | ブックレビュー

 先月本屋で見かけて買ってしまいました。中島美代子著…ということは故中島らもさんの奥さんが、らもさんとの事を書いた本です。私はらもさんの大ファンでエッセイは全部、小説は8割方読んでると思います。


 そういうファンからすると衝撃の書です、これは。今年読んだ本で「面白いんだけど読まなかった方がよかったかも」というのがいくつかありまして、一つは梁石日の「血と骨」、一つは重松清の「疾走」。で、もう一つがこの本です。


 ようするに読んで落ち込むというか気分が沈むというかそういう類の本。ただ、この本については小説ではなくてノンフィクションなのでまた衝撃度が違います。


 らもさんの本では奥さんのことは時折書かれてましたが、いつもほんの少しだけ。図書館で働いてたとか実家が養鶏場だったとかバイクに乗るとか。


 それが今度は生まれ育ちとからもさんとの出会いからはじまって、らもさんと“ふっこ”ことわかぎえふさんと奥さんとの関係、自宅がヘルハウスと呼ばれてた頃の居候たちと奥さんとの関係、コピーライターになって変わっていったらもさんの生活など、これまで知られていなかったことが次々と明らかになります。


 らもさんがリリパットアーミーを辞めたあたりの事情や心情も、この本に書いてあるのが多分真実でしょう。ただ、ここまで聞かされて今更どうなる…というのも正直なところ。


 いろんな意味で衝撃の書です。万人向けではないでしょうが、やはり中島らもファンなら読んでみるべきでしょうか。こちらで表紙も見られます。そういえば奥さんの若い頃の写真を見たのは初めてでした。