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読んでから見るか、見てから読むか>人間の証明

2017年04月23日 | ブックレビュー

 「原作はオススメ」というアドバイスを受け入れて、森村誠一先生の「人間の証明」を読みました。ちなみに私は映画は2回くらい見て、フジの2004年版のドラマは3回くらい見て、先日のテレ朝のスペシャルドラマも見ました。その辺の話を書きますので、ネタバレはバリバリです。って、今更気にする人はいませんか。


 今回原作読んだら結構面白かったです。映画やドラマに比べて一番深みがあったのが、妻がひき逃げされた小山田の心情ですね。彼にとっていかに妻が大事で、自分が身体を壊し彼女が生活のために水商売に出たときの不安な気持ちは、ドラマだと独り言にするわけにもいかず、この辺は小説が有利でしょう。

 そういうことをいろいろ検討してみたところ、2時間ちょっとの映画とか単発のドラマではあの話を描き切るのは無理で、あらためて2004年のドラマはよく出来てたと思います。あのドラマでは原作にない部分として、棟据がニューヨークにまで出かけたり、原作にはいない夏川結衣の存在でちょっと和んだり、ぬいぐるみの熊を取り戻しに小山田の家に松下奈緒が押しかけたり、あとはいしだあゆみとかりりぃの存在が絡んで話に深みが増してます。原作だと霧積での殺人事件がちょっと唐突なイメージがあるのですが、ドラマではうまく絡めたように思いますので。

 小説をドラマ化や映画化した場合、原作を超えることは滅多にないのですが、私の場合2004年のドラマ>原作>映画という評価です。ちなみに先日のスペシャルドラマは評価に値しません。ある意味原作を冒涜してると思います。ということで、この話は「読んでから見る」のがお勧めですね。棟据の性格というか人間性はわかってから見た方が入り込みやすいですし。

 

 とか偉そうに言ってますが、今回原作の文庫はブックオフで入手しました。108円でした。森村誠一先生ごめんなさい…。