今日のひとネタ

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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その4(くるみ割り人形)

2018年03月06日 | 石川ひとみ

 ご存じデビュー第二弾シングルでヒットしました。1978年9月5日発売ですが、これは私も当時テレビでよく見た記憶があります。Wikiによるとオリコン最高位は42位。(ちなみに同時期のアイドルとしては石野真子さんの「失恋記念日」が24位、榊原郁恵さんの「Do it BANG BANG」が15位だそうです。)

 タイトルが「くるみ割り人形」という事もあり、バレリーナをイメージさせる白い衣装が印象的でした。歌詞も「ガラスの瞳に…」という部分があり、「ひとみ」という単語を入れ込んだのは多分意識しての事でしょう。

 曲は失恋というか二股掛けられたというか、彼氏が別の女に乗り換えたという歌詞です。(というと身も蓋もないですが) とはいえ、彼女は当時結構明るい表情で歌ってたのであんまり悲しい感じはしませんでした。なお「あんな可愛いのに男にふられるわけないじゃないの、フンだ。」と、同世代の女性から敵意を持たれたことは想像に難くありません。(意見には個人差があります。)

 この曲は、作詞:三浦徳子、作曲:馬飼野康二、編曲:大村雅朗という布陣で、デビュー曲の「右向け右」とは作詞だけ同じ。これも詞、曲、アレンジどれも秀逸と思います。キーはF#mですが、マイナーで始まりサビからAメジャーになる展開。マイナーで始まり途中からメジャーになるのは、キャンディーズの「やさしい悪魔」とか河合奈保子さんの「ヤングボーイ」とかもそうですが、石川ひとみさんでは「夢番地一丁目」もそうですね。

 当時サビの高音がすごく伸びると思ってましたが、この曲は最高音がC#でサビの「くるみ割り~」の「り」の部分もそうですからかなり高いですね。それが裏声でなくハリのある声で聞かせるのが魅力です。彼女というと「まちぶせ」が第一に来ますが、第二にこれだと思う人も多いでしょう。テレビでも「まちぶせ」ばっかじゃなく、こちらを歌って貰うと嬉しかったりします。

 この曲で年末の新人賞レースも争いましたが、レコード大賞の新人賞の5人には入りませんでした。その年の受賞者は石野真子、さとう宗幸、渋谷哲平、中原理恵、渡辺真知子の5人。最優秀新人賞は「かもめが翔んだ日」の渡辺真知子さんでした。

 当時私は中3だったのですが、「なぜ石川ひとみが入らん!」と怒ったものです。ただ、今になってこの顔ぶれを見れば「まぁ仕方ないかな」とも思います。ただ、その後芸能プロダクションの研究をしている友人に「あの年はジュリーに最優秀歌唱賞を取らせるためにナベプロがバーターをした」と言われました。実際渋谷哲平さんよりはオリコンの順位が上なので、もしかしたらそういうこともあったのかもしれません。が、この曲では第8回銀座音楽祭大衆賞、第11回新宿音楽祭銀賞、第5回横浜音楽祭新人賞、FNS歌謡'78 最優秀新人賞など、各賞を受賞してますのでレコード大賞の件は許します。

 なお、この曲のB面は「タイトロープ」という曲で1stアルバムのラストの曲でもあります。これもかっこいいのですが、メロディは1曲の中にいろんな展開がある感じで「ごった煮」のアルバムのラストを飾るのにふさわしい曲です。当時このシングルを聞いたファンは、「さて次はどういう曲で来るか?」と期待していたことでしょう。

 ということで次回はその「あざやかな微笑」です。