朝ドラ「虎に翼」は今週昭和8年から10年のあたりでした。戦前ですがもう満州事変のあとで、国内国外ともにかなりキナ臭いというイメージはあります。が、ドラマで見ると街の様子も活気があって道行く人も結構おしゃれに感じます。
まあそれもそのはずで、別にまだ灯火管制があるわけでも「欲しがりません勝つまでは。」となってるわけでもないので、庶民は普通に生活を楽しんでたと思われ。そこは前作の「ブギウギ」でもそうでしたね。歌劇団とか歌謡ショーへの風当たりが強くなるのは、それこそ太平洋戦争始まってからの事でしょうし。
それで思い出すのが、江戸川乱歩先生の「黄金仮面」のこと。2003年に刊行された光文社文庫「江戸川乱歩全集第7巻 黄金仮面」の解説に面白い話がありました。
そもそもこの小説は昭和5年から連載開始されたものですが、その翌年5月に平凡社で「江戸川乱歩全集」がスタートしたそうです。それでその宣伝役に駆り出されたのが黄金仮面。
それによると「黄金仮面に扮したチンドン屋行列が町を練り歩き、セルロイドの黄金仮面がビルの屋上から舞った。黄金仮面のポスターが書店の店頭を賑わせた。」のだそうです。昭和6年とはいえ楽しそうですね。
とはいえ、実際は「虎に翼」のヨネさんのように地方では家が貧しくて売られる女子も多く、彼女がどこの出身なのかはわかりませんが特に東北ではかなり生活が厳しかった様子。そこが226事件の青年将校の決起などに繋がったりしたわけですから、
・国としてどうしたらよかったのか。
・官民問わず何かできることはなかったのか。
・海外で参考にできる事例はなかったのか。
というのは今だから考えてみるべきとも思います。実際知恵が無かったのか、考えた人はいても実行されなかったのか、など。
「ブギウギ」「虎に翼」と同時代の話が続いたので、ついそういう事を考えました。簡単な話ではないのはわかりますがそういうことも勉強したいです。
特高警察がそういうことをしてたというのは目を付けられる人もいたわけで、それでも国としては戦争まっしぐら、226があってノモンハンも…だったと。なんともやりきれない思いがあるとともに、やはり色々検証して二度とああいう時代にならないようにと思います。勉強せねば。
治安維持法がますます激化していた頃。
朝ドラ「あぐり」であぐりの夫エイスケ(野村萬斎)を殴る文学青年がいました。「小林さんを侮辱するな!」
エイスケにして見ればあの事件に関して軽い気持ちでコメントを言っただけなのに・・・。でもその青年にして見れば許せなかったのでしょう。
「蟹工船」を読んだ事がありますが、やはり凄い世界です。