先日書店にマルクスの本を買いに行って結局買ったのはこっち。人気バンドの結成から全盛期を経て解散に至る話を読むのは大好きで、これまでも井上尭之氏の「スパイダースありがとう」とか、甲斐バンドの「ポップコーンをほおばって」(田家秀樹著)とか持ってます。萩原健一氏の「ショーケン」でもテンプターズとかPYGの話がありました。
私は昭和38年生まれなのでGSはギリギリ間に合ったという世代。自分で「今が昭和何年か?」というのを意識したのが昭和44年だったので、スパイダース、タイガース、ブルーコメッツ、テンプターズ、ヴィレッジシンガーズ、ワイルドワンズ、オックスとかはリアルタイムで見た記憶が一応はあります。とはいえ割と好きなのはワイルドワンズくらいだったので、タイガースはほとんど守備範囲外。
この本は集英社新書ですが、著者の磯前順一氏は普段全然芸能関係とは関係のない方で、この本も当時の雑誌記事とかメンバーの著書からの証言を集めてストーリーを構築したというもの。どういう経緯でこの方が書いたのかはわかりませんが、少なくとも作業量は物凄いものがあることはわかります。
読んだ感想ですが、これまでの私のタイガースに関するイメージは
・GSブームに乗っかって関西から出てきた。
・ブームに乗ってデビューと同時に超人気グループに。
・ジュリーの歌唱力とアイドル性だけで受けてた。
・ブームの終焉でやる気をなくしたメンバーが脱退し解散。
などでした。
が、ちゃんと足跡を辿ってみるとほとんど正しくないことがわかります。GSブームはタイガースが作った部分が大きいし、デビュー当時はまだそれほど売れてもいなかったし、トッポの脱退は結構複雑な事情がありますが一般的に報じられていたものとはまた違うと。
とはいえ、この本自体は面白かったのですが、どうもタイガースの音楽には興味が湧かない自分がいたのでした。ですが本は面白いですよ。力作だし読み応えあります。どーですか、お客さん。