昭和の時代のニューミュージック系のLPでは、歌詞カードに参加ミュージシャンが書いてあることが珍しくありません。一方そういうアルバムをWikipediaで調べてもわからないことが多いので、そういうのはここで残しておこうという企画です。
今回は、私の大好きなアリスのアルバム「Alice V」をば。先日、デビュー50周年記念コンサートが行われたばかりですが、そこでもこのアルバムから何曲も演奏されていました。まさに彼らの代表作です。ということで、参加ミュージシャンは以下の通りです。
1.今はもうだれも
作詞・作曲:佐竹俊郎/編曲:アリス
矢沢透:Drums
高水健司:Fender Bass
直居隆雄:Electric Guitar "Solo"
谷村新司:Acoustic Guitar、Lead Vocal、Supporting Vocal
堀内孝雄:Acoustic Guitar、Harmony
2.遠くで汽笛を聞きながら
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:篠原信彦
矢沢透:Drums
高水健司:Fender Bass
矢島賢:Electric Guitar "Solo"
篠原信彦:Piano、Organ
堀内孝雄:Acoustic Guitar、Vocal、Background Vocals
谷村新司:Background Vocals
3.雪の音
作詞・作曲:谷村新司/編曲:青木望
谷村新司:Acoustic Guitar、Vocals
矢沢透:Congos
4.あの日のままで
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:アリス
矢沢透:Drums
高水健司:Fender Bass
矢島賢:Electric & Acoustic Guitars
堀内孝雄:Acoustic Guitar、Lead Vocal、Background Vocals
駒沢裕城:Pedal Steel Guitar
篠原信彦:Fender "Rhodes" Piano
谷村新司:Harmony
5.僕の想うこと
作詞・作曲:矢沢透/編曲:アリス
矢沢透:Drums
岡沢章:Fender Bass
矢島賢:Electric Guitar
篠原信彦:Piano
(Horn Section)
Tenor:市原宏祐、三森一郎
Baritone:砂原俊三
Trumpet:宮下明、篠原国利、麻生征二
6.音の響き
作詞:矢沢透/作曲:堀内孝雄/編曲:アリス
堀内孝雄:Acoustic Guitar、All Vocals
武部秀明:Fender Bass
矢沢透:Bongos
矢島賢:Electric Guitars
川原正美:Percussions
7.もう二度と…
作詞・作曲:谷村新司/編曲:アリス
矢沢透:Drums
岡沢章:Fender Bass
谷村新司:Acoustic Guitars、Vocal
篠原信彦:Organ
堀内孝雄:Harmony
8.夏の終りに
作詞・作曲:矢沢透/編曲:ボブ佐久間
矢沢透:Drums & Percussions
後藤次利、岡沢章:Fender Bass
栗林稔、篠原信彦:Piano
鈴木康博:Acoustic Guitar
堀内孝雄:Vocal
Wood Winds:星川竜二、藤山明、小出直也、石橋正治
9.指
作詞:谷村新司/作曲:堀内孝雄/編曲:高水健司
堀内孝雄:Acoustic Guitar、Vocal
高水健司:Fender Bass
10.帰らざる日々
作詞・作曲:谷村新司/編曲:篠原信彦/ストリングス編曲:青木望
矢沢透:Drums
高水健司:Fender Bass
設楽幸嗣、篠原信彦:Piano
谷村新司:Lead Vocal、Background Vocals
堀内孝雄:Background Vocals
これは1976年7月のリリースですが私は中1の夏に買ったと記憶してますので、発売すぐに入手したと思われます。当時はこのクレジットを見ながら「ふ~ん」と思ったり「あれっ?」と思ったり。
「あれっ?」と思ったのは、アリスは三人組ですが曲によって参加してない人もいるということ。「雪の音」はチンペイさんとキンちゃんだけで、ベーヤンは関わってないです。そして「僕の想うこと」はクレジットにはありませんが、これはキンちゃんのボーカル曲。しかも他の二人の名前が無いのでソロプロジェクト的な感じ。アリスの場合はメンバーがギター二人とドラムだけなので、レコーディングでは他のミュージシャンが参加するわけですが、メンバーの一人しか関与してない曲があるというのは結構先進的だったのではないでしょうか。
細かいところでは、「今はもうだれも」のチンペイさんの「Supporting Vocal」というのはファルセットで聞こえるあの声かと思います。また、直居隆雄さんのギターはわざわざ「Solo」と書いてあるので、バッキングのギターは弾いてないという事なのでしょうね。そういう記載は「遠くで汽笛を聞きながら」も同様ですが、あの矢島賢さんのギターソロは歴史に残る名演だと思います。
Bassではわざわざ「Fender Bass」と書いてあるあたりに時代を感じますが、昔はアップライトベースの対義語というかエレキベースの総称でこの言葉が使われたように聞いていますので、「Gibsonもヘフナーもリッケンも一切なしで本当にFenderしか使ってないんですか?」とかいう突っ込みはしません。
他では、当時オフコースの鈴木康博さんの名前があったり、後藤次利さんが1曲だけ参加してたりもありますが、このお二人はアリスのセカンドライブにも参加してました。後藤次利さんが演奏している「夏の終りに」には岡沢章さんの名前もあるので、ベースが二人参加していることになります。これぞ真のダブルベースですね(ウソ)。そういえば、この曲がキンちゃんの作詞作曲だというのは、あまり知られてないかも。ベーヤンのボーカルだし。私は凄く好きな曲です。
これはヒット曲も多いアルバムですが、今はSpotifyなどのサブスクでも聞けます。関心がある方は是非どうぞ。ちなみに歌詞カードには「このレコードはかなりレベル高くカッティングされていますので、プレーヤーの針圧を重めにして聞いて下さい。」とあります。当時聞いてたのは実家のモジュラーステレオだったので、「いや、そんな事言われても。」と思いました。別に普通に聞けましたけど、確かに音もでかいし、かなりダイナミックレンジが広いというか、メリハリのある音だとは思いました。いいアルバムですよね。